あなたside
風磨「じゃ、行ってくるね」
『行ってらっしゃい!頑張ってね』
風磨「おうっ!」
ドラマの撮影に出かけた風磨くん
最近忙しそうだな
あんまり一緒に入れなくて寂しい…
でも風磨くんも頑張ってるんだもん
私も頑張らないと、ね
ピコン
お昼すぎには帰れそうって言ってたのに…
だめ、我慢我慢…
風磨くんっ…
LINEで言ってくれるなんて珍しいね
ちょっと元気出たかな
気晴らしに買い物でも行こうかな
私は近くのショッピングモールに行った
『…え?』
ねぇ風磨くん…?
その女の人誰?
撮影長引いてるんじゃないの?
なんで腕組んで歩いてるの?
さっきの"好き"はなんだったの?
やばい、泣きそう
「ねぇねぇ」
背後で誰かの声がする
私に言ってるの?
違ったら恥ずかしいからと聞こえてないふり
でも肩をつつかれた
『はいっ』
「あなたちゃん?」
私の目の前には勝利くん
かっこいいから会ってみたかった人
風磨くんに頼んでもなかなか会わせてくれなかった
会えて嬉しいはずなのに
勝利「…え?風磨くん…」
勝利くんはどこまで知ってるのかな
この感じだと私と風磨くんの関係知ってるぽいな
勝利「あなたちゃん、こっち向いて」
『…ん?』
勝利くんの方を向いた瞬間
彼の体によって私の視界は真っ暗になった
勝利「泣いていいよ」
勝利くんありがとう
私は気が済むまで彼の腕の中で泣いた
勝利「…落ち着いた?」
泣いてから何分経ったのかな
私の目から涙は止まった
『うん…ありがとう、ごめんね』
勝利「全然!気にしないで!」
『じゃあ』
勝利「ねぇ、お茶でも飲も?」
風磨くん以外の男性と…
でも今は誰でもいいからそばにいて欲しい
私は勝利くんとカフェに向かった
風磨くんのウソつき…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!