upprnのその声でltは咄嗟に炎を消した。
より一層赤い光が目立って仕方がない。
炎が消えた次の瞬間、私たちは底なしの闇に引き摺り込まれた。比喩的表現ではなくその通り、影の中。
上を見上げると地上が見えた。
kk→mmntmr→iemn→lt→upprnと手を繋いでいる。
それだけできれば十分!!!
mmntmrは咄嗟に指示を出す。
それに応えるようにiemnが出口までの道を示す。
kkの言う通りに全身の力を抜く。
影の中をスイスイ進みながらkkはそう言った。
kkさんはあまり人に頼らない性格をしていて、それを実現させてしまう力があった。
だからこそ、私はその"お願い"と言う言葉を耳に焼き付けた。
影から地上を見上げると壁に取り付けられている鉄のダクトが見えた。
ただ、固く閉ざされているのが見て取れる。
影の中だからと言って魔法を詠唱、発動できないわけではない。しかし、影の中からダクトを壊せたとしてもiemnの魔法がカメラに映る。
木が生える魔法なんて限られているでしょうからのちにiemnだと割れてしまう。
一瞬でカメラを壊すことがここを出る最低条件。
mmの固有魔法『髑髏』は動きが遅く、当てにならない。
kkは影に潜っているため魔法が使えない。
iemnはダクトに狙いを定め詠唱している為使えない。
upprnかlt。
この2人がなんとかするしか、道はない。
5秒は詠唱できない__
彼の空いている右手から瞬時に放たれた小さな水球は目にも止まらぬスピードでカメラに放たれた。
カメラに水が弾け、ショートした。
とっくに限界が来ていたのだろう、私たちの体は地上へ弾き出された。
ダクトの軋むような音が聞こえだと思えば、
まるで瞬時に時間が経ったみたいに木々が生え、ダクトがこじ開けられるようにして役割を失った。
そうして私たちは駆け込むようにしてダクトの中を進んだ。
監視カメラに私たちの姿はギリギリ映ってないでしょう。明かりを消したのに加えてすぐに影に潜ったのだから。
でもダクトをこじ開け、防犯カメラを壊したのだから
人がいたのはバレた。確実に。
すぐに寮に帰ってアリバイを作らないとまずい。
先生がもうすでに寮に押しかけてるかもしれない。
待機メンバーがてきっとうに言い訳してくれていると助かるんですけど...
ノクティルナ寮にて
玄関先で声が響いてきた。どうにも焦っているようで少しだけ声が震えていた。
ガチャリと音を立てて寮の扉は開いた。
玄関に入ってきた田中先生はキョロキョロと視線を動かした。
息つく暇もなく、いないクルーの名前が挙げられる。
2人の言い訳(苦しい)も虚しく、
田中先生は上がり込もうとする。
田中先生は何処か確信めいた様子で言った。
侵入が、バレている。
全員、冷や汗が頬を伝う。
ただ1人を除いて。
田中先生の前にどかっと座り、真剣な眼差しで前を見るhtmngu。
床に胡座をかいている為、全員に見下ろされている。
真剣な眼差しのhtmngu、さっきまでとは打って変わって動揺の隠せない田中先生。
事情を知らぬ者はその圧倒的なポーカーフェイスに疑いを覚えることは、不可能。
その言葉に全員一瞬で心を通わせた。
チャンスを逃すはずもなく瞬時にストーリーを構築する。
田中先生は気が付かなかった。
もうすでに戦局を支配されていることに。
情報の引き出し方が上手い。
その時、ノクティルナメンバーの頭に直接声が聞こえた。
znkpsによる嘘か誠かの判決。
答えは誠。
田中先生は寮を出る時ボソッと呟いた。
聞いてごめんな悪気はなかったんだ...と、申し訳なさそうに帰っていた。
znkpsの耳にも届かない程小さい独り言。
rir-は人懐っこいような笑顔を浮かべる。
私が、守るから。
禁止書庫突入から後日
会議室に私たちは座っていた。
2週間と言われて疑問は抱かなかった。それぐらいかかるのを承知でいったのだから。
こうして私たちしか知らない作戦会議は幕を閉じた。
皆席を立ち、各々自身の部屋へと戻っていく。
ミーティングルームだった大広間には私と両生類しかいない。
ltは知っていた。明るく元気ですぐ周囲の人に溶け込むupprnにはどこか暗い冷たいナニカがあることを。
けどそれを悟らせない。
悟られたとしても決して踏み込ませない壁のことも。
...私はズカズカと踏み込みにいくからな。
数秒の沈黙の後、
upprnは口を開いた。
upprnはへいへーいとだらしない返事をして大広間を後にした。
やられた、話を逸らされた上に逃げられた。
正確には逃してしまったの方があってるけど。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。