第32話

幸せになる方法。.゚
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2025/04/28 09:00 更新



風が私の髪をたなびかせる








何故か開いている屋上でお弁当を食べる





あなた
たまにはこういうのも良いよね…



自然の美しさを感じながら卵焼きを口に運ぶ





佐野命
あれ、あなたじゃん

あなた
あ、佐野くん



卵焼きが口に到着したと同時に、私の後ろから声が聞こえた





佐野命
こんなとこで1人で飯食ってんのか?
あなた
そうだけど、悪い?



1人で、というワードが気に入らなかったので



少し強い口調で言った




佐野命
いや、別に悪くないと思うけど

あなた
…佐野くんはなんでここにいるの?
佐野命
暇な時にたまに来るんだよ
佐野命
俺だけのお気に入りの場所

あなた
そうなんだ…

あなた
でも、私が知っちゃったからもう佐野くんだけのものじゃないね笑

佐野命
たしかにな…笑


佐野命
あなたも暇な時ここに来ていいぞ

あなた
いいの?
佐野命
ああ、2人だけのお気に入りの場所にしよう
あなた
いいね、それ


それからも2人で笑いながら会話をした




お弁当を食べる手は止まっていて




全く進んでいなかった





あなた
ねぇ、佐野くん
あなた
私ね、恵比寿先生が好きなんだ
佐野命
……

あなた
でもきっと…恵比寿先生は私をそんな風に見ていないと思う
あなた
こんなこと言われても困ると思うけど…


あなた
私のこの気持ち、どうしたらいいかな








佐野命
好きにしたらいいんじゃないか?



少しの間が空き、佐野くんの口から出てきた言葉は





なんの宛にもならない、美しい言葉だった

佐野命
その気持ちを伝えるのか、伝えずに心にしまっておくのか
佐野命
全部、自分で好きに決めたらいいよ



あなた
自分で…好きに…

自分で好きにしていいよ



なんて言われたって、大概何をすればいいか分からないものだ



もし、気持ちを伝えなかったら?



伝えず後悔することになったらどうする?







逆にこの気持ちを伝えたとして



相手に対してそう思っていたのは私だけだと知ったら?




もう今までの関係でいられなくなったらどうする?







そんなことを考えると怖くて、怖くて





前に進めずにいる






佐野命
あなた…?




彼が心配そうにこちらを見たのは




きっと私の目に涙が浮かんでいたからだろう







でも私はそれに気が付かなかった




あなた
私…どうしたらいい?



佐野命
……

佐野くんはなんと言えば正解なのか分からず






困っていた







佐野命
俺は…自由に生きればいいと思う




佐野くんはまた、宛にならない言葉を言う




でもその言葉は、私にとって救いでもあった


佐野命
きっと人間は、いつか自分が本当に望んでいるものが見つかる

佐野命
だから、その答えが出るまで待てばいい


佐野命
時間はまだいくらだってある
佐野命
待ってる間、俺もそばにいるから


佐野くんの言葉は私の心に深く刺さった





槍が刺さったようなものではなく






まるで、何かで包んでくれているような






そんな感覚




あなた
うん…分かった


佐野命
あ、それと最後に、約束して欲しいんだ
あなた
約束…?

佐野命
あなたの答えが見つかった時、必ず幸せになってくれ
佐野命
絶対だ
あなた
でも、必ず幸せになるなんて保証できないけど…
佐野命
それは…そうかもしれない

佐野命
でもきっと
佐野命
幸せになれる答えをあなたなら導き出せるって信じてるから


あなた
分かった笑




あなた
ありがとう




私達はそっと小指を絡め、約束をした







私の愛する神様と約束をした時のように

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