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第14話

お土産と贈り物

――ふわっ





今回も新しいの補充したいなと思って持ってきた
テツロー彼氏のシャツと同じ匂いに包みこまれている。

何とも言えない幸福感と心地よさ。




毎日、頭の中で抱きしめてもらった感覚が現実になっていて…

途端に恥ずかしさが増してきてしまう。




「あの…音駒のキャプテンさん…?」


鉄朗「あなた、本当にあなただよな?
   すぐに本物って思えなくて…でもなんか、すげーうれしいっ!

   てか、なぜ急に他人事なのよ。」




んー、確かに。
でも、会うのはキスマークをもらったあの日以来。

正直、この時が来てもどんな顔したらいいのかわからない。



「いやー、なんか本物のテツローがって思うと…恥ずかしくて」



バッと窮屈な腕から解放されるも
肩を捕まれたままテツローが笑う。



鉄朗「ぶ、ひゃひゃひゃ!
   なんか、変わらず可愛いとこあるじゃないのよ。
   さすが俺の彼女あなた。」



ポンポンと撫でられる頭が熱い。

なんか、どんどん自分が制御できなくなる。



「テ、テツローは、元気だった?
 急に来てごめんね。

 一応、猫又監督には言ってあったんだよ?」


ただただ、優しいお兄ちゃんみたいに
私の頭をポンポンしてくれるテツロー。



鉄朗「来る時は日程言ってくれって話してたから、まさか突然来るとは思わなくてねぇ。
   色々用意できてないけど、よかったらウチのバレー部見ていってちょうだいよ。

   その『音駒色』のネックレスもよく似合ってる。」


「あ、ありがとう。
 この『音駒色』は、1番のお気に入りだよ!」



ニシシッと笑うテツローに
ニコッと微笑み返して幸せを噛み締めた。





それから、体育館に入り、猫又監督やバレー部のみんなにも挨拶を交わした。

合宿で逢わなかった控えメンバーや1年生も多い。

どのメンバーも突然来た私を受け入れてくれて
誰一人として嫌な顔はしなかった。




その後、更衣室を借りてジャージに着替えようとした所…

猫又監督に声をかけられて
思わぬ物を渡された。



猫又「本当は勝手にこんなことしちゃいけないんだろうが、先生とも話して用意して貰ったんだよ。
   今日だけと言わず、時々手伝いに来たらぜひ使ってやってくれ。」


「…!!え、本当に…!!いいんですか!?
 あ、、あ、りがとうござ、い、ますっ!!」


猫又「いやいや、こんな事で泣くな。あなた。
   お前が来てくれて本当に助かっている。

   連絡を貰った時、これを渡そうと自然と思えたんだ。
   今後もよろしく頼むよ。」


「はいっ!!」




猫又監督に渡されたそれは、

紛れもなく、音駒高校バレーボール部の赤いジャージだった。


手伝いと言えど、仲間として認められたようななんとも言えない気持ち。


たった数回しかサポートできないのに
他校の、しかも遠い土地の生徒なのに

わざわざマネージャーとして存在できるように用意してくれたことがとても嬉しかった。



荷物から烏野のジャージを持って更衣室に向かった私は、途中、猫又監督から受け取った音駒のジャージを着てみんなの元へと戻ったのだった。







ーーおおっ!!


音駒のジャージを着た私を見て
バレー部のみんなが沸き立った。


「今日1日、それも短い時間となりますが全力でサポートさせていただきますのでよろしくお願い致します!!」




ーーあぁ、すでに泣きそう。


それでも、テツローを始め、
研磨もリエーフも夜久さんも海さんも…

本当、みんながジャージを褒めてくれて。

仲間として頑張ろうって気持ちを引き締められた。





スコアをつけて
選手それぞれの善し悪しを記録。

ケガのサポートに不足してる備品の買い出し。

もちろんボトルも用意するし…

午前から本当に忙しかった。



お昼は、猫又監督がオススメのお弁当屋さんで一緒に用意してくださって、そのまま体育館でみんなで輪になってお弁当を食べた。



「テツローのお弁当は、いつも誰が作ってくれるの?」


鉄朗「んー、まちまちだな。
   自分で作る時もあるし、一緒に住んでるばーちゃんが作ってくれる時もある。
   今日は研磨のお母さんが研磨のと一緒に作ってくれた。」


「へー、あ、研磨の家近いって言ってたもんね!」


研磨「クロの家、隣だからさ。
   部活だって言うと2人分作ろうとするんだよね。」


鉄朗「でも、やっぱ、ありがてぇよ。
   人のご飯って見に沁みるね。」


「なるほどー。
 なんか、近ければお弁当も作れるし
 もっとこう、一緒に食べることもできるのに…」


鉄朗「…まあ、それはそれ、これはこれだろ。
   今日は今日で俺にとっては嬉しいこと多すぎた。」



そんな会話もしつつ、
お土産の萩の月をみんなでデザートに食べていた。


すると…海さんから質問。



海「で、あなたちゃんは、今回は黒尾に会いに来るために東京来たわけ?
  もともと何かあって来たの?」


あ、そうだった。
1つ、渡すものを思い出しながら返答する。


「あ、もちろん黒尾さんやみんなに逢いたいのもあるんですけど…

 明日、ウィーンから音楽隊が来て
 東京文化ホールで演奏会やるんですよ。」


リエーフ「それ!うちの両親が聴きに行くって言ってたかも!
   たしかピアノの女の子と共演ってなっててすごい人気でなかなかチケット取れないって…」



「そう!それ!

 私、小さい頃にお父さんがフランス人でずっとウィーンに住んでて…その頃お世話になった楽団の人たちが日本で公演することになって、私もピアノのゲストとした呼ばれてるの。

 これ、チケット。
 結構あるので、練習に差し支えなければ観に来てくれたらと思って…。」



誰にもピアニストとして活動してることを話していなかったんだけど、なんか、勢いで全部言ってしまった。

言いきった後がやけに静かで緊張する。



鉄朗「まじで…!?」



テツローの目が丸くなると同時に

『ヤバい!え、ピアニスト?!』

『現役学生にしてプロオケと共演!!?』

『しかも、レアチケくれて見れるの?あなたちゃん見れるの!!?』


と、バレー男子は盛り上がっていった。




明日からは例の点検が入るらしく、
部活はオフ。


私はトータル4日間滞在する。

今日の夕方から練習に行き、
明日の夜は本番になる。



音駒の学生や先生と猫又監督まで。
ほとんどの人が演奏を観に来てくれると言ってくれた。

チケットは多めに持ってきたので
リエーフはお姉さんを。
山本さんは妹さんを。

一緒に誘ってきてくれるみたい。








16時、音駒高校に直接、真一くんが車で迎えに来てくれて、本日の宿となる真一くんの家に荷物を置き、リハーサルへと向かった。



まだまだみんなとの付き合いは浅い。


新しい一面をしって貰えるといいな。






夏の暑さと同じように。

私の心にも温かさが増してくる。




テツローにも、研磨にも
もっと私を知って欲しいなと思った1日だった。