『、へ』
思ってもみない質問だった。
「出来損ないの基準。俺はさ、みんなそれぞれ出来損ないだと思ってるんだよね。完璧な人とかいないじゃん。」
綺麗事じゃないか。と思った。
でも、確かにそうかもしれない。とも思った。
『出来損ないでいいのかな』
「みんなそうだよ。みんな、俺も、あなたの名字も、みーんな出来損ないだから。大丈夫。」
にこにことその美しい顔で微笑んで、こちらを見る。
なぜかその言葉が心に染みて、視界がぼやけた。
「え、ちょっ、なんで泣いてんの…俺なんかした!?」
テンパる彼の胸を少しだけ拝借して、泣き顔を隠した。
どうしてこんなに彼に心を許しているのか、わからないまま。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。