『、へ』
思ってもみない質問だった。
「出来損ないの基準。俺はさ、みんなそれぞれ出来損ないだと思ってるんだよね。完璧な人とかいないじゃん。」
綺麗事じゃないか。と思った。
でも、確かにそうかもしれない。とも思った。
『出来損ないでいいのかな』
「みんなそうだよ。みんな、俺も、あなたの名字も、みーんな出来損ないだから。大丈夫。」
にこにことその美しい顔で微笑んで、こちらを見る。
なぜかその言葉が心に染みて、視界がぼやけた。
「え、ちょっ、なんで泣いてんの…俺なんかした!?」
テンパる彼の胸を少しだけ拝借して、泣き顔を隠した。
どうしてこんなに彼に心を許しているのか、わからないまま。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。