俺達は言葉の意味が全く理解できなかった。
「思い出せない」?
この瞬間、俺達の頭の中では多くの思考が飛び交う。
一歩思わず後ずさると、ふっかさんは気づいたようで見たことのない表情をした。
傷ついた顔
悲しげな顔
諦めた顔
俺はその時になってやっと、行動一つ一つで彼を傷つけていたのだと知った。
ドラマで聞いたことのある単語。
それをふっかさんの口から聞いた瞬間、現実なのだと思い知る。
辛いのは当人のはずなのに、受け入れられない。
はぁはぁ、と息をゆっくり吐きながらふっかさんは膝から崩れ落ちた。
ガンガンという音とともに彼の頭から血が流れ出ていた。
その光景に我に帰った俺達は必死に彼を止める。
彼とは一生無縁だと思っていた自傷行為、
それと絶望した顔。
俺もさっくんもその言葉に、何も言うことができなかった。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。