‹ 猫咲 side ›
今日は二人で仕事の日。
駅で印南と合流後、桃がいるらしい山の中に
ふたりで歩いていく
本当ならこんな森は早く抜けるに
越したことはないのだが、
印南の足の遅さに合わせて
ゆっくりと走って山を登る
数分登って、印南の体力が尽きそうになり
休憩を挟もうとすると、どこからともなく
悲鳴が聞こえてきた
声のするほうへ、俺が先に走っていき
鬼の村を襲っている桃を見つけた
村にいるのは隊員だけで
森の方にも他の桃がいる気配はない。
……いけるな、俺の1人で。
俺の言葉にムカついたのか、
何も考えずにバカみてーに突っ込んできた桃が
阿呆らしくて俺の口角は上がった
風が俺の背を押すかのように吹く
今日は早く帰れそうだ
***
桃を全て片付けると、
思ったよりも速く、印南がやってきた。
後片付けをお願いするべく
鬼の隊員を呼んでいると、
村の住人と思われる子どもが駆け寄ってきた
まぁ、別に嘘でもないけれど
勝手に意訳されるのは勘弁して欲しい
そう思っていると強い風が吹いて
俺の前髪は宙を舞い、額に冷たい感覚がきた
そのとき、子どもが俺の顔を指さして
驚いた顔をした
…… なんだ、物珍しいものでもあったか?
まぁたしかにさっきまで顔を隠していたし
初めて俺の顔をちゃんと見たから驚いたのかも
なんて考えている最中に、
昨日のことが脳裏に過ぎる
あーもう、そうだった。
すっかり忘れていた。
あのバカ同居人が昨日、
仕返しだと言って寝ぼけた俺の額に
ペンを向けていたじゃないか。
ふつふつと腹に溜まる怒りを感じて。
速攻あのバカを吹っ飛ばしてやりたくて。
印南を置いて俺は帰路についた。
To Be Continued ▶︎
自業自得な猫咲お兄さんでした












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!