第6話

...
120
2025/09/18 08:00 更新





ガチャ







木製の扉を開けると、変わらない部屋があった。








ホコリなどもない。おばさんが掃除したんだろう。








吸い込まれるように、部屋に入ると、おばさんは微笑んで
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
好きなだけ居ていいからね。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
物も持ち帰ってもらっても構わないよ
sho
ありがとうございます...
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
じゃ、私はリビングにいるから、帰る時とかなんかあった時は声かけてね
sho
はい!





おばさんが扉を閉めると、そのままベッドに座る。








ベッドから見える机、本棚、椅子、ローテーブル、クローゼット。








全て思い出だ。







机...引き出しん中になにか入ってへんかな。








立って机に近づき、引き出しを開ける。










ある引き出しには、絵。









ある引き出しには文房具。









ある引き出しには、日記が入っていた。








気になって、手を伸ばし、そのまま椅子に座る。








ぺらり、とページを捲っていく。










内容は他愛のないこと。








何をしたとか、勉強疲れたとか、テストやばかったとか、














×月×日



病院に行ったら、持病が悪化したって言われた。


明日、シャオロンと一緒に帰る時に話そうかな


正直、怖いし、不安。


まだ、気持ちを伝えられていないから、いつか、言わなきゃ。










×月×日



帰り道、シャオロンに話した。


凄く、驚いてたし、心配してくれた。


ほんと、優しいんだよね。 そういうとこが好き。 昔から。


いつになったら、言えるのかな。


















×月×日




入院が決まった。


日に日に弱くなっていく自分に嫌気がさす。


シャオロンは毎日来てくれる。


その度に、好きになって、辛くなる。


どうすればいいんだろう、私は。










×月×日




久しぶりに、シャオロンが連れ出してくれたよ。


車椅子を押してくれた。


でも、もう終わりが近い気がするの。


だから今日でこの日記も終わりにしようと思う。


部屋に戻しておくね。


今読んでるのは誰だろう?


家族?友達?シャオロン?はたまた元気な私?


私の、心残り、ここに書かせてください。



シャオロンが、ほんとに好きだった。


多分、言えない。私以外の人と、これから幸せになって欲しい。


言いたいけど、言えない。言わない。


だから、ごめんね。


優しくて、太陽みたいに照らしてくれて、いたずらっ子で、面白くて、たまにドジで、天然なシャオロンが大好き。


出会えてよかった。


ありがとう。


最後に、約束してね。


元気に過ごしてね、私の分まで沢山生きて、生きて、幸せになって、そしたらまた遊ぼうね。





ぽたり、と涙がノートを濡らす。






呆然と眺めていたが、ふと我に返り、ノートを閉じる。





sho
なんで、最後まで言ってくれんかったんや...
sho
俺も、...言えなかったん、後悔してるんやで
sho
俺のバカ、...あなたもバカ...
sho
あぁ~...ほんま、...
sho
約束...ちゃんと守るわ。
sho
言えんくてごめんな。
sho
俺も、...あなたが大好きやったで
sho
これからも、ずっと。



ノートを片手に、ネックレスをつけて、おばさんに挨拶して、家を出た。






次に向かうのはあの公園。






あの夏が、あそこに残っている。


プリ小説オーディオドラマ