【脱衣所】
のれんを潜ると、蒸し暑い空気が漂ってきた。どうやらここには大浴場があるみたいだ。
そして、この場所をじっくりと観察している1人の男がいた。

確かコイツは…犯罪者を改心させたり、居場所のない子供の面倒を見たりしたとかで有名だったな。流石“超高校級の神父”なだけあって、物腰柔らかで誠実な人だ。
なんでそんなサラッと言えるんだ…!羞恥心ってものがないのか?いや、ルミナはロボットだもんな…。
コイツの実力は確かだと思うが…本当にこんなヤツが神父で良いのか?それに、サラッと男の俺にスリーサイズを聞いてきたよな…。
……“誠実な人”というのは、取り消した方がいいかもしれない。
《“光葉琉叶”の絆のカケラをゲットした!》
【寄宿舎】
脱衣所を出ると、沢山の扉がある廊下を見つけた。ドアプレートにはそれぞれ人の似顔絵絵と名字が書かれている。
そう言って指さした先には、ルミナという文字と似顔絵が書かれたドアプレートがあった。
そしてその隣には…
突然やってきた転校生のために先生が書き足したような…そんな雑さを感じる「アマガイ」という文字と似顔絵があった。
よく周りを見てみれば、「ソウダ」や「タザキ」などの名前もある。一体どういうことなんだ?この建物は俺たちのために作られたのか?ってなると…ここは希望ヶ峰学園?
そんなことを考えながらまだまだ続く廊下を歩いていると……
突然顔に衝撃を感じ、俺は尻もちをついてしまった。まるで壁にぶつかってしまったようだ。どうして?まだ廊下は続いているはずなのに。
差し伸べてくれたルミナの手を取ろうとした時、男女の笑い声が聞こえてきた。

そう言って九重が指さした方──俺が廊下だと思っていた場所に手を伸ばすと、まるでそこに壁があるような感触があった。
壁にもう一度触れてみると、指に少し塗料がついた。本当に絵なのか…。近くで見てもやっぱり廊下が続いているように見える。流石“超高校級の絵師”だな。

穂川青葉…確か学校でのトラブルを法律で解決したって話題になってたよな。この歳で弁護士になれるなんて凄いな。
…九重の言う通り、難しいことにならずに平和に終わればいいんだけどな。
《“九重叶斗”の絆のカケラを手に入れた!》
《“穂川青葉”の絆の欠片を手に入れた!》
【トラッシュルーム】
九重達と別れ、廊下の一番奥にある扉を開けると、焦げ臭い匂いが漂ってきた。どうやらゴミ捨て場のようだ。鉄格子の向こうには焼却炉がある。
そして、鉄格子の手前には小さな男の子がうずくまっていた。
俺たちが男の子に近づくと、突然顔を上げて不満そうにこちらを見つめてきた。

巷を騒がせているカリスマ美容師“月村広途”…よく名前は聞いていたが、まさかこんな背格好だったとは。
そうだよな、さっきから平然としてるヤツが多すぎて気づかなかったけど…やっぱりこんなの異常だ。怖がって当然だろう。
月村を励ましたあと、俺たちはトラッシュルームを後にした。
《 “月村広途”の絆のカケラをゲットした!》




































編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!