第6話

Prolog【絶望は何度も火を灯す】④
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2025/07/27 12:14 更新



【脱衣所】

のれんを潜ると、蒸し暑い空気が漂ってきた。どうやらここには大浴場があるみたいだ。
そして、この場所をじっくりと観察している1人の男がいた。
???
ふむ、立派なお風呂ですね…流石希望ヶ峰学園!
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
おい、お前も希望ヶ峰学園の新入生か?
???
おや、これまた素敵な御方が……
ミツバ ルカ
ミツバ ルカ
私は“超高校級の神父”光葉琉叶と申します
ミツバ ルカ
ミツバ ルカ
ここで会ったのも何かの縁…是非とも仲良くしてくださいね
 

確かコイツは…犯罪者を改心させたり、居場所のない子供の面倒を見たりしたとかで有名だったな。流石“超高校級の神父”なだけあって、物腰柔らかで誠実な人だ。
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
俺は雨海湊斗。才能は記憶喪失で覚えてない
ミツバ ルカ
ミツバ ルカ
それはお気の毒に…どうか貴方に神の御加護があらんことを……
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
あ、ありがとう…
ミツバ ルカ
ミツバ ルカ
それでは、才能の代わりと言ってはなんですが…貴方のスリーサイズを教えてくださいませんか?
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
………は?
ルミナ
ルミナ
私のスリーサイズは86、65、90であります
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
こ、答えなくていいって!

なんでそんなサラッと言えるんだ…!羞恥心ってものがないのか?いや、ルミナはロボットだもんな…。
ミツバ ルカ
ミツバ ルカ
おやおや、そちらの方が答えて下さるとは…予想外です。これもきっと神様のおかげですね
ミツバ ルカ
ミツバ ルカ
貴女のお名前も伺ってよろしいですか?
ルミナ
ルミナ
はい、私の名前はルミナ。“超高校級のアンドロイド”であります
ミツバ ルカ
ミツバ ルカ
なるほど…流石アンドロイド、女性の理想的な体型ですね!
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
……

コイツの実力は確かだと思うが…本当にこんなヤツが神父で良いのか?それに、サラッと男の俺にスリーサイズを聞いてきたよな…。

……“誠実な人”というのは、取り消した方がいいかもしれない。


《“光葉琉叶”の絆のカケラをゲットした!》




【寄宿舎】

脱衣所を出ると、沢山の扉がある廊下を見つけた。ドアプレートにはそれぞれ人の似顔絵絵と名字が書かれている。
ルミナ
ルミナ
私の名前もありますね

そう言って指さした先には、ルミナという文字と似顔絵が書かれたドアプレートがあった。
そしてその隣には…
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
お、俺の名前……

突然やってきた転校生のために先生が書き足したような…そんな雑さを感じる「アマガイ」という文字と似顔絵があった。

よく周りを見てみれば、「ソウダ」や「タザキ」などの名前もある。一体どういうことなんだ?この建物は俺たちのために作られたのか?ってなると…ここは希望ヶ峰学園?

そんなことを考えながらまだまだ続く廊下を歩いていると……
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
へぶっ…!?   

突然顔に衝撃を感じ、俺は尻もちをついてしまった。まるで壁にぶつかってしまったようだ。どうして?まだ廊下は続いているはずなのに。
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
いってぇ……
ルミナ
ルミナ
大丈夫でありますか?危険を未然に防止できず、申し訳ありません

差し伸べてくれたルミナの手を取ろうとした時、男女の笑い声が聞こえてきた。
???
ふへへ…今までで1番いいリアクションだね〜!
???
ごめんごめん、面白そうだと思ってつい……怪我とかない?
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
あ、ああ……お前らも希望ヶ峰学園の生徒か?
ココノエ カナト
ココノエ カナト
そのとーり!僕は九重叶斗!“超高校級の絵師”って呼ばれてるんだ〜
 
 
ココノエ カナト
ココノエ カナト
ね、そこ触ってみてよ!

そう言って九重が指さした方──俺が廊下だと思っていた場所に手を伸ばすと、まるでそこに壁があるような感触があった。
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
ど、どういうことだ…?!
ルミナ
ルミナ
これは…この廊下を模写した風景画でありますね
ココノエ カナト
ココノエ カナト
あ、バレちゃった?
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
これが……絵?

壁にもう一度触れてみると、指に少し塗料がついた。本当に絵なのか…。近くで見てもやっぱり廊下が続いているように見える。流石“超高校級の絵師”だな。
???
九重の絵、本当にすごいよね!私も近くで見るまで全然わからなかった!
???
…って、そうだ。まずは自己紹介だよね
ホカワ アオバ
ホカワ アオバ
私は穂川青葉、“超高校級の弁護士”だよ
 

穂川青葉…確か学校でのトラブルを法律で解決したって話題になってたよな。この歳で弁護士になれるなんて凄いな。
ホカワ アオバ
ホカワ アオバ
キミたちは?
ルミナ
ルミナ
私はルミナ。超高校級のアンドロイドであります
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
俺は雨海湊斗。才能は記憶喪失でわからない
ホカワ アオバ
ホカワ アオバ
き、記憶喪失っ?!ってなるとこれ…
やっぱり誘拐事件なのかな?
ホカワ アオバ
ホカワ アオバ
身体を拘束されたりしてないし、てっきり希望ヶ峰のイベントかと思ってたけど…
ホカワ アオバ
ホカワ アオバ
でも、個室があるって事は長期に渡る監禁を予定してる?厨房にたくさん食料もあったし…
ココノエ カナト
ココノエ カナト
あーあ、自分の世界に入っちゃった…
ココノエ カナト
ココノエ カナト
そんな難しく考えなくていいのに!
おバカさんだな〜!
ホカワ アオバ
ホカワ アオバ
ちょっと!いくら考え事してるからって、周りの音が全然聞こえないわけじゃないからね!

…九重の言う通り、難しいことにならずに平和に終わればいいんだけどな。


《“九重叶斗”の絆のカケラを手に入れた!》

《“穂川青葉”の絆の欠片を手に入れた!》




【トラッシュルーム】

九重達と別れ、廊下の一番奥にある扉を開けると、焦げ臭い匂いが漂ってきた。どうやらゴミ捨て場のようだ。鉄格子の向こうには焼却炉がある。

そして、鉄格子の手前には小さな男の子がうずくまっていた。
ルミナ
ルミナ
希望ヶ峰学園の新入生だけでなく、小学生も誘拐されていたとは…予想外であります
ルミナ
ルミナ
早急な救助が必要であります
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
ああ、そうだな…お前、大丈夫か?
???
小学生じゃないもんっ!
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
えっ!?

俺たちが男の子に近づくと、突然顔を上げて不満そうにこちらを見つめてきた。
ツキムラ ヒロト
ツキムラ ヒロト
お、俺は月村広途!“超高校級の美容師”なんだよ
 
 
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
わ、悪い…背が小さかったからさ……

巷を騒がせているカリスマ美容師“月村広途”…よく名前は聞いていたが、まさかこんな背格好だったとは。
ツキムラ ヒロト
ツキムラ ヒロト
別にいいもん、慣れてるし…
ツキムラ ヒロト
ツキムラ ヒロト
それより、君たちは誰?
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
俺は雨海湊斗だ。才能は記憶喪失で思い出せない
ルミナ
ルミナ
私はルミナ。超高校級のアンドロイドであります
ツキムラ ヒロト
ツキムラ ヒロト
ええっ!アンドロイドなの?!それに
記憶喪失なんて…
ツキムラ ヒロト
ツキムラ ヒロト
や、やっぱりこんなのおかしいよね…
早くおうちに帰りたいよ……

そうだよな、さっきから平然としてるヤツが多すぎて気づかなかったけど…やっぱりこんなの異常だ。怖がって当然だろう。
ルミナ
ルミナ
先程もこの件について話し合ったのですが、希望ヶ峰学園が用意したイベントという可能性もあるでしょう
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
それに、もし誘拐事件なら今頃大騒ぎしてるはずだ。警察がすぐに駆けつけてくれるさ
ツキムラ ヒロト
ツキムラ ヒロト
そ、そうだよね…ありがとう…!

月村を励ましたあと、俺たちはトラッシュルームを後にした。


《 “月村広途”の絆のカケラをゲットした!》


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