第5話

Prolog【絶望は何度も火を灯す】③
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2025/07/08 09:00 更新



【食堂】

霊園と別れたあと、さらに廊下を進むと食堂を見つけた。広々としていて大きな窓もあり、とても開放的だ。とは言っても、その窓の奥には大きなコンクリートの壁があるのだが。

そして、机に座っている男とその周りをあわあわと歩き回っている女が居た。
???
な、何でもしますからぁ!乱暴だけはやめてくださぁい…!
???
乱暴なんて酷いなぁ…ボクはキミにコレを飲んで欲しいだけだよ

女が男に言い寄られている…のか?
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
お、おい……大丈夫か?
???
た、助けてください!この人に変なものを飲まされそうになってるんですぅ!
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
変なもの……?
 
確かに、男の手には得体の知れない液体が入ったグラスが握られている。まさかこの女に毒でも飲ませようとしているのか?
???
ははっ、誤解だって…そんなにコワイカオしないでよ
ヨイヤ シキミ
ヨイヤ シキミ
ボクの名前は酔夜樒。“超高校級のバーテンダー”だよ
 

ルミナ
ルミナ
ですが、未成年の飲酒は法律で禁止されていますよ
ヨイヤ シキミ
ヨイヤ シキミ
安心して、ボクが作るのはノンアルカクテルだけだから
ヨイヤ シキミ
ヨイヤ シキミ
さっきもこの女の子にノンアルカクテルを味見して欲しかっただけなんだ

なるほど、そういう事だったのか。にしてもこの状況でカクテルを作るなんて…呑気なヤツだな。
???
ご、ごめんなさい…!私が勘違いしてしまったせいで…!
ヨイヤ シキミ
ヨイヤ シキミ
いいのいいの。それよりもキミの名前を教えてよ
???
はっ、はい!
ハルマ ユイ
ハルマ ユイ
私は遥真由衣です。“超高校級の何でも屋”をしてます。本当に何でもするので、よろしくお願いしますっ…!
  


何でも屋なんて本当に存在するのか。ゲームやアニメの世界でしか見たこと無かったな。
ハルマ ユイ
ハルマ ユイ
え、えっと…お二人の名前も教えて貰えませんかぁ…?
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
俺の名前は雨海湊斗だ。才能は…記憶喪失で思い出せない
ハルマ ユイ
ハルマ ユイ
き、記憶喪失…?!それは大変ですねぇ…
ハルマ ユイ
ハルマ ユイ
あの、助けて貰ったお礼に何でもしますから!た、頼ってくださいね…!
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
ああ、ありがとう
ルミナ
ルミナ
私はレイナ。“超高校級のアンドロイド”であります
ヨイヤ シキミ
ヨイヤ シキミ
へぇ、アンドロイドなんだ。かわいーね
ルミナ
ルミナ
…これが俗に言う“ナンパ”というやつですか?
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
ははっ、まぁそんなところだな

しばらく2人と話してから、俺たちは食堂を後にした。最初はどうなることかと思ったが…2人とも悪くないヤツで安心した。


《“酔夜樒”の絆のカケラをゲットした!》

《“遙真由衣”の絆のカケラをゲットした!》





【倉庫】

食堂の隣に小さな倉庫があった。棚には見慣れた生活必需品から正式名称がわからない競技用具まで、様々なものがびっしりと詰め込まれている。

その奥に、ダンボールを忙しなく漁っている1人の少女が居た。
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
なぁ、何か探してるのか?
???
あ?テメーみてぇな平凡ズラのパンピーがオレ様に話しかけるんじゃねー!
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
……

初対面のヤツに平凡ズラのパンピーって…ちょっと
変わってるどころじゃないな、コイツは。
ルミナ
ルミナ
湊斗さんを侮辱する行為は許容できません。表出やがれ、であります!
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
いいって…ルミナ……
???
なんだよ、うるせぇな…テメーはこの
パンピーの彼女か?
ルミナ
ルミナ
はい。私の大切は、湊斗さんの傍にいることであります
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
お、おい!話をややこしくするな!!
???
マ、マジで彼女なのかよ…!なぁ、コイツのどこに惚れたんだ?やっぱりテクニックか?!
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
あぁ、もう!そんなんじゃないって言ってるだろ!
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
はぁ…俺は雨海湊斗、コイツとはさっき出会ったばっかりだ
???
へっ、そうかよ…んで、そこのオレ様の次に可愛い女はナニモンだ?
ルミナ
ルミナ
私はレイナ。“超高校級のアンドロイド”であります
???
テメー…アンドロイドなのか?!

レイナがアンドロイドだと公言した瞬間、女はようやくダンボールを漁る手を止め、好奇心溢れる目でこちらを見つめてくる。
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
お前、ロボットが好きなのか?
???
はぁ?オレ様を知らねーのかよ!
ソウダ リオン
ソウダ リオン
オレ様は左右田凛音。かの有名な“超高校級のロボットエンジニア”なんだぞ!
 


ロボットエンジニアか…有名らしいけど、全く知らなかったな。だが“左右田”という名字はなんとなく聞き覚えがある。
ソウダ リオン
ソウダ リオン
にしてもテメー…マジですげぇな!こんな人間らしいロボット初めて見たぜ!
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
…っていうことは、お前がレイナを作った訳では無いんだな?
ソウダ リオン
ソウダ リオン
あぁ、コイツには見たこともねー最新技術がふんだんに使われてやがる!
ソウダ リオン
ソウダ リオン
なぁ…どこのどいつがテメーを作ったんだ?!テメーはいつ作られたんだ?!
ルミナ
ルミナ
マスターに関するメモリーを削除されてしまった為、その質問にはお答えできません
ソウダ リオン
ソウダ リオン
メモリーを削除されただと?!んだよ、つまんねー…
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
お前が復元することはできないのか?
ソウダ リオン
ソウダ リオン
だから、コイツには見たこともねー技術が使われてるって言っただろ?このニワトリ頭が!
ソウダ リオン
ソウダ リオン
コイツのナカ弄ったってぶっ壊しちまうだけだっつーの!
アマガイ ミナト
アマガイ ミナト
そ、そうか…ごめん……

“超高校級のロボットエンジニア”でもレイナのメモリーを復元することはできないのか。
…にしても、意外とロボットには真摯に向き合うんだな。無理やり解体したらどうしようかと思ったが。
ソウダ リオン
ソウダ リオン
ま、こんなすげーヤツに出会えただけでも万々歳だな!
ソウダ リオン
ソウダ リオン
おい、ルミナ!マスターのこと思い出したら、真っ先にオレ様に教えろよ!
ルミナ
ルミナ
100%了解であります

そう言うと、左右田は倉庫から足早に出ていってしまった。 全く…嵐が去ったような気分だ。


《“左右田凛音”の絆のカケラをゲットした!》


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