第2話

好きになったらどうしよう
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2018/03/02 05:06
昨日見たかっこいい女子のことをずっと考えていた。
あの廊下にいたってことは、多分先輩。
さくら
あのさ、昨日なつと歩いてる時、かっこいい先輩を見たんだよね。
なつ
え?
どこで?
さくら
学校。
なつ
は?
ここ女子校じゃん。笑
さくら
そうなんだけど…
かっこいい女子の先輩!
なつ
うーん。
確かに、ボーイッシュな感じの先輩はいるよね。
さくら
なつ、見たことあるの!?
なつ
いや、ボーイッシュな人ならいくらでもいると思うけど、うちの学校内でも。
さくら
そっか。
でもさ、すごいかっこよくてさ!
なつ
え…
もしかしてさくら、惚れちゃった?
さくら
・・・
なつ
なんてことないよね!?
さくら
ダメかな?
変だよね、やっぱり。笑
なつ
いや、ダメかな?って、男っぽいだけで実際女でしょ?
さくら
うん…
だよね。
なつ
さくら…
まぁ、大丈夫だよ。
ちょっと、「わぁ、女子なのにかっこいい!」って感動しただけだよ。
さくら
だよね!
ただそれだけの事!!
きっとそうだ。
ただそれだけの事。
その日の放課後。
なつを待たせてるから、私は走って玄関に向かっていた。

あれ!?
スマホがない。

さっきまでポケットに入ってたのに。

慌てて引き返す。

どこ??

うろうろしていると、
ひなた
これ、そう?
さくら
あっ、ありがとうございます!
そう言って顔を上げると、昨日の先輩。
さくら
わぁっ、あ、すみません!
ありがとうございました!!
慌てて逃げる。
ダメだ。

また惹かれちゃう。

見た目もかっこいいし、落とし物拾ってくれるとか…!
ひなた
あー待って。
名前なんて言うの?
さくら
えっ、わ、私!?ですか…!?
ひなた
そーだよ。
昨日もすれ違った気がする。
さくら
さくら…です…
ひなた
さくらちゃんか。
俺、ひなた。
よろしくな。
俺…??

えー、もう、男子としか思えない。
さくら
あっ!
こちらこそ、お願いします!!
ひなた先輩は、ニコッと笑って帰っていった。


なんで、名前なんか聞いたんだろ?

よろしくな、だって!!

やばいやばい!


相手が同じ女子校に通う先輩なんてことは、もうとっくに忘れていた。

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