辺りは既に薄暗く
響くのはシルクの呼び掛ける声だけ
シルクは嗚咽混じりの声でそう言いながら宛もなく走った
ただひたすら
あなたを探して
友達の家にいるあなたはやけ酒をし既にベロベロの状態だった
そう言って莉子はブランケットを机に突っ伏して
寝てしまったあなたの肩に掛けた
プルルルルルッ
シルクは大急ぎで家へ戻った
あなたのスマホを開けるにはパスワードが必要だった
シルクは頭を抱えた
ひとつひとつ数字を打っていく
ドクドクといつもより速く脈打つ心臓
もしこれで開かなかったら………
そんな不安がシルクの頭をよぎる
喜びもつかの間、あなたの友達一人一人に電話をかけていく
何人も何人もかけたが答えは皆同じだった
シルクは心が折れそうになった
プルルルルルップルルルルルッ
多分この人のところにも…
シルクは半分諦めていた
そして少し経って莉子の家のインターホンが鳴った
ガチャリ
そこには気持ち良さそうな顔で寝ているあなたがいた
やっぱり俺はあなたを傷つけてしまっていたんだ
そう言ってシルクは酔って寝ているあなたをおんぶし、家まで歩いた
家につき、あなたをベッドへ寝かせた
予想もしなかった言葉に驚いているシルクにあなたはキスをする















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。