第4話

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2024/06/16 13:03









何故か捕まってしまった。


太宰
    あなたなら大丈夫かと思ったのだけれど    
やっぱり駄目だったか…
中原
    つーか、なんで大人しく捕まったんだよ    
強行突破で逃げればよかっただろうが
あなた
    その後指名手配犯にでもなったらどーするの。それこそ生きて帰れないよ
太宰
    あなたの云う通り。しかも此処、
私達がいた世界とは違うみたいだし




白い二段ベッドが二つ程並べられている殺風景な部屋。窓と扉はそれぞれ一つずつ。
扉には鍵付き。連れてこられた時は目隠しをされていたから此処が何回の何処かさえもわからない。

太宰
    で、あなた。話してみてどうだった?    
何か収穫はあった?
あなた
    あの男の人は保科って云って…うん    
中原
    まさか其れだけ、なんて云わねーよな…    
あなた
    其れだけだよ!   




そう云うとガクり、と肩を落とす二人。
ごめんて。


あなた
    ハニトラは効かなかった    
中原
    お前ハニトラ出来たのか…    
太宰
    あなたがハニトラね    
あなた
    なんか失礼じゃない二人共!   




あなた
    でも確かに向いてないのかなあ…
なんかホントにドン引きされた様な気がする
太宰
    やっぱり私が行くべきだったか     
中原
    否、俺が行ってぶっ飛ばすべきだった     




二人の会話を聴いている限り、やっぱり私が最適解だったな。

そんな事を彼らを遠目で見守りながら考えた。
だって絶対拷問されてたよ、私以外が行ってたら。


保科
    三人共〜アンタらの会話    
全部丸聞こえやからな
太宰
    嗚呼、知ってるよ     
中原
    盗聴器と監視カメラぐらい
わかってるに決まってんだろ



え、嘘。仕掛けられてるの知らなかったの私だけ?


保科
    まあわかってるならええんやけど。
そろそろ事情聴取の時間や出てきて貰う




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