朝起きると、母親はぷわにミルクをあげていた。
ミルクをあげる、というと みんな哺乳瓶を思い浮かべるかもしれないが、
私の母親は針のない注射器に印のついた細長いホースをつけ、
ぷわの口の中に突っ込んで与えていた。
あまりにもぷわが苦しそうに鳴くものだから 心配になって話を聞いてみると、
いろんな哺乳瓶やミルクを試したけど、飲んでくれなかった。
個体によっては哺乳瓶を嫌う子も居て、
その場合は胃に直接流すのだとか。
中途半端に差し込むと器官に入って死んでしまう、
ぷわみたいな子を生かすための大切な難しい技術。
そんな風に言っていた。
でも本当なら、このタイプの授乳をする時は
一人が抑え、もう一人がミルクを与える、といった感じで
二人でやったほうがいいらしい。
だからできる限り、抑える役として手伝う事にした。
いざ自身の手に乗せ、抑え込むとなると加減がどうも掴めなかった。
片手より小さくて少し弱っている子猫。
加減を間違えたら骨を折ってしまうんじゃ、潰してしまうんじゃないか。
そう思うと、強く抑えるなんて出来なかった。
これから少しずつ覚えていこう。
…なんか手を強く押されてる感覚が…?
そう思い手の中を見る。
ぷわが前足ですんごい押してた。
ちょ、ぷわ、そんなちいちゃいおててのどこからそんな馬鹿力が…?!?!












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。