※健全です
リオはすっかり日が暮れた空の下で私を待っていた。息が揺れて、手には自販機で買った缶ジュースが2本。1本を私に差し出して、微笑んだ
そう言う彼の声がどこか震えていたのは、これから何を言うかを悟らせてくるようだった。
今夜、リオから話があるって言われたとき、胸の奥で何かが小さく崩れる音がした。
彼がデビューすることはもちろん知っている。ファイナルでデビューが決まった瞬間、テレビの前で泣き崩れた。100人以上の中から選ばれた精鋭。その中でもメインボーカル候補として名前が挙がっていることが、誇らしかったし、嬉しかった。
覚悟は決めてきたはずだった。想像していた言葉なのに、いざ聞くと息が詰まる
リオの視線は、缶ジュースの表面を彷徨っていた
我慢していた涙が耐えきれずに溢れ落ちる。そんな私をみたリオは、気持ちの整理がつかないというような、苦しそうな顔をして言う
彼の言葉にどんどん涙が頬を流れて、息がしずらい。
リオがずっと夢に向かって頑張ってきたことを、私は知っている。心が壊れそうになりながら、でも諦めずに何度も挑戦してきた彼を誰よりも近くで見てきた。
だからこそ、彼の夢を邪魔したくなかった。
リオの指が私の頬をなぞった。涙が落ちる前に、そっと拭うみたいに。その目は、テレビで見るキラキラした笑顔のリオじゃないくて、私だけが知っている、弱くて、優しいリオだった。
気を抜いたら過呼吸を起こしてしまいそうな息を必死に抑えて、言葉に詰まりながら想いを伝える。
彼の目にも涙が浮かんでいるのがみえて、辛かった
リオは顔を歪めて目元をぬぐう
そう。私たちは、選んだ道をもう戻れない。
彼は夢を叶える道を、私は彼を送り出す道を。
それは、告白ではなく、告別の言葉だった。
ふいに、リオがそっと私の手を取った。少しだけ震えている指先。同じように私の心も震えていた。彼の手の温もりを感じながら、「これが最後なんだ」と思うと、どうしようもなく苦しくなる
彼がそう言った時、限界だった。
我慢できなくなって泣きじゃくるような声を上げ、涙が絶え間なく流れる。
私が返事をする前に、リオの唇がそっと重なった。少し冷たい風の中で、それだけが温かかった。
キスは短くて、でもすべてを詰め込んだような甘さと痛みがあった。
私が顔を上げると、もう一度唇を重ねた。
そのキスは、泣きながら笑うみたいな、ぐちゃぐちゃな甘さだった。
時間が止まってほしいと願ったけれど、秒針は進んでいく。
やがて、リオはゆっくりと私から離れた。
指先が最後まで彼を探すように動いて、そして、空を掴んだ
月明かりの下、彼の笑顔はどこか大人びて見えた。もう、私だけのリオじゃない。これからは、たくさんの人の「推し」になる。もちろん、私にとっても
それなのに、心のどこかで私との日々が残っていてくれると信じてしまう
歩き出す彼の背中が、少しずつ遠ざかっていく。もし私が追いかけたら、抱きしめたら
リオが、振り返ってくれれば______
何かが変わるんじゃないかと一瞬思ったけれど
私は笑顔を作った。彼の夢を守るために。
彼がきっと、私の笑顔を最後に覚えていてくれると信じて
私はしばらくその場から動けなかった。
この恋に、終わりを告げた夜。でも心はまだ彼を欲していて、リオのいなくなったこの場所で1人泣いた。
涙を拭ってくれる彼はもういない。その事実が私の胸をひどく締め付けた。
今後デビュー組の小説は新しいところで、それ以外の人は引き続き、ここで書いていきます!!💫
ALD1の小説ができたらまたここで告知させて頂きます🙏🏻🤍
私のワンピク キムジュンミンは惜しくもデビューに至りませんでしたが、ツーピクのイリオがデビューしたのでたくさん追っていこうと思っています^ᴗ ̫ ᴗ^₎
ボイプラ2の全員が花道を歩けますように⟡.*












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。