そう言ったけれど、その声は自分でもわかるほどに
酷く、震えていた。
私の想いが噴火した火の如く、とめどなく出てくる。
_精一杯の私の気持ち、受け取ってよ…
蓮は俯いたまま、言葉を発さない。
ねぇ、蓮?
言葉にしてくれないとわからないよ…
まだ、私はこの関係に少し希望を胸に抱いている。
蓮の答え次第で、まだやっていけるって。
なのに
それでも、蓮は言葉を発してくれなかった。
ようやく、私の言葉に反応して顔を上げた蓮。
でも、蓮の今の顔は…
いつも画面の中では光に満ちていた大好きな顔が。
今は、希望をなくしたかのような黒い顔をしている。
蓮。
もう、私無理かも。
本当にありがとうね。
これまでも、これからも。
お幸せに…
_蓮、別れよう。
🖤side
カランカランカラン〜♪
口元から
血の感じ。
血の匂い。
血の味がする。
…俺はダメだった。
彼女のことを、ただ幸せにしたくて。
それだから、頑張れた。
それだけが、活力でもあった。
それなのに…
_あなたのことを、傷つけた。
その事実だけが。
俺を苦しめた。
あなたside
お店を出てから、涙が止まらない。
行く当てなんかないのに。
ただ、この辛い思いを
どこかに投げ捨てたくて。
どこかへ向かってる。
自分でもわかるぐらい泣いてる。
あたりを行き交う人から、
注目を浴びる程には泣いてる。
あぁ、明日どうしよう。
あぁ、これからどうしよう。
月の光に、導かれて。
私はどこかへ向かっていた__
たまたま街中で康二くんに会って。
今は康二くんのお家にお邪魔させていただいている。
なにかを察してくれているのか、何も聞かずに
至って普通に接してくれている。
何言ってるんだろ。
康二くんの優しさを、無碍にするようなことしてる。
康二くんは、蓮と付き合うときに
アドバイスくれたり、素直に応援してくれた優しい人。
だから、きっと康二くんの言葉に私は弱い。
私が泣いている時も、何も聞かずに
ただ、そばにいてくれた。
そんなこんなで数分後。
私は気持ちの整理がつき、康二くんに事情を話した。
『別れた』って言ったときは、とても驚いてたけど
最後まで、静かに話を聞いてくれた。
康二くんが
私のことを優しく受け止めてくれたおかげで
いつのまにか、私は泣き疲れて寝ていた。
🧡side
俺は、その真相を知るべく
あなたちゃんが寝たのを確認してから
めめに電話をかけようとした
そのとき
📱「 プルルル プルルルル プルルルル 」
スマホには「めめ♡」の表示が。
📱🧡 「は、はい…」
少し緊張気味に出ると、
いつもは「おう」が第一声のめめが
📱🖤 「あなた!」
と大声で出てきた。
📱 🧡「めめ?一回、落ち着k…」
📱 🖤「あなたは!!!」
こんなめめ、初めて知ったわ…
そんぐらい、冷静じゃないんやろな。
📱🧡「あなたちゃんは…今、俺とおるで」
📱🖤「…」
沈黙が続く。
📱🖤「あなたと今、どこにいる」
少し苦しそうな声で、めめは俺に聞いた。
そんなめめを感じ取ってしもたから
不思議と、なんも言葉を発せなかった。
📱🖤「…じゃあ、なにしてる」
📱🧡「…寝てんで。」
いつもよりぎこちない会話。
それは、多分この距離感のせいやと思う。
📱🖤「寝てる…?康二、今どこ」
📱🧡「…」
📱🖤「康二」
📱🧡「めめ。あなたちゃんと何があったん?」
📱🖤「…」
📱🧡「言ってええかしらんけど、
あなたちゃん泣いてたで?」
📱🖤「…っ」
📱🧡「あなたちゃん、
別れたゆうてたけどそれはほんまなん?」
📱🖤「…ほんと」
📱🧡「…っ」
📱🧡「…じゃあ、めめは納得してるん?」
📱🖤「…っ」
📱🖤「俺があなたを傷つけたのは事実だから。」
📱🧡「そうやなくて!…めめの気持ちは?」
📱🖤「…俺の、気持ち?」
📱🧡「めめは、あなたちゃんと別れたいん?」
📱🖤「俺は…」
📱🧡「…」
📱🖤「あなたと別れたくなんかない。」
📱🖤「できることなら、やり直したい。」
📱🧡「じゃあ、その気持ち大切にせなあかんな?」
📱🖤「でも、また傷つけたら…」
📱🧡「あなたちゃん、言ってたで」
「私の気持ちとか、ごめんばっかじゃなくて
蓮もちゃんと自分の気持ちを伝えてほしかった」
📱🧡「って」
📱🖤「康二。」
📱🧡「俺の家おるから、はよきぃ」
📱🖤「…っ」
📱🖤「10分でつくから。」
ピーピーピーピー
🖤side
ピンポーン
ガチャ
もう、遅いかも知れない。
意味ないかも知れないし
話すらも、してくれないかもしれない。
でも、変なプライド捨てて
自分の気持ちをちゃんとあなたに
届けるって決めたんだ。
バタン
康二には、本当に感謝しかないな。
さぁ、寝室の前に来た…
とりあえず…
寝てるかどうかの確認か。
よかった、寝てはなさそうだ。
俺は、寝てないことを確認したのち
寝室のドアの前に、腰を落とす。
…反応なし。
でも、ここで諦めたら駄目な気がする。
そう思って、俺は今まで思っていたことを
一人語りのように話す。
それがたとえ、意味のないことだとしても。
あなた side
確かに、いつも蓮は完璧になろうとしてくれていた。
初めてのデートだって
蓮がエスコートとかして、お店も調べてくれて…
なのに定休日だったり…笑
私の誕生日には、どんなに忙しくても
必ず00:00におめでとうラインくれたり…
蓮と付き合って初めての私の誕生日は、間違って
あけましておめでとうとか変なこと言ってたなぁ 笑
そんな、毎回完璧を演じても結局どこか抜けてる
素直な、蓮のことが大好きだった。
今の蓮からは、そんな素直な蓮を感じれた。
蓮と一緒に笑い合える日が来るといいな。
🕊️ *・゜゚・*:.。..。.:*・End・*:.。. .。.:*・゜゚・* 🕊️
次回予告…『もしもあそこで
___いなかったら?』












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。