そう,彼は自信満々に笑っている…どうしてそんなに自信があるのだろうか…謎すぎる…
まあ、美味しいのだけれど…
コップの中のミルクと砂糖で薄められたコーヒーは湯気をあげることはない…少し冷えて,飲みやすくなったってところだろう…
その呟きを耳にいれたのか…アラスターさんは目をより細めて,笑みを深くした…
しかし,それも一瞬の出来事でアラスターさんは満足げな表情をしてふわふわの耳を揺らしてから目を閉じて行儀よくコーヒーを再び嗜み始めた…
アラスターさんの頭に生えている耳をじっと見つめる…アラスターさんは一見狐にも見えるが彼は鹿の悪魔…仲間には優しいがラジオデーモンと呼ばれる程の実力があるのだ…
アラスターさんは,私を見てくる…
それにたいして横に首を振れば「よろしい」と一言いわれる…
だとしても…彼の魅力的なお耳が悪いのではなかろうか…??ふわふわもふもふ…触ったらどんな感じなんだろう…
そんな風に考えていると先程までの暗い考えは少し落ち着いてきていて…これまでのこと全部が彼の思い通りなんじゃないかとまで思えてきてしまった…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。