京楽春水という厄介な目をどうにかこうにか振り切り、
宵月隊の一行は瀞霊庭の入り組んだ路地裏をすり抜けていた。
あなたは仮面を頭の上に押し上げ、やれやれと首を左右に振る。
その横顔には緊迫感など微塵もなく、
どこかスリリングな遊園地でも楽しんでいるかのような軽口が浮かんでいた。
愁は額の青筋をピクピクさせながら、
呆れと怒りが混ざった声を浴びせる。
その足元では、チタリが
と愁の服を引っ張って抗議していた。
暮葉がれんげを回すような優雅な仕草で二人をなだめつつ、ふと前方の空を見上げた。
遠くの空気がピリピリと震えている。
あちこちで凄まじい霊圧がぶつかり合い、爆発音が地響きのように伝わってくる。
あなたは足を止め、遠くの空に立ち上る霊圧の余波をじっと見つめた。
その瞳の奥には、かつて自分が身を置いていた場所
護廷十四隊という巨大な組織の光と影が、嫌でも脳裏に蘇る。
かつては十四隊であったはずの場所が
今や跡形もなく無くなっている
愁が真面目な顔つきに戻り、あなたに問いかける。
チタリも
とワクワクした目を向けてきた。
再び不敵に笑い、仮面をしっかりと顔に装着し直した。
黒崎一護たちが命を懸けて仲間のために走る裏で、
尸魂界の深部に潜り込んだ無法者たちの狂言回しは、まだ始まったばかりだった
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!