ポンと手を叩き、ひらりと身を翻した。
愁が呆れたような、嫌な予感しかしないという顔で眉間を押さえる。
ぼこっ
愁の容赦ない鉄拳が、頭に綺麗に直撃した。
ケロッとした顔で腕を組み、目の前にある重厚な和風の扉をじっと見つめた。
愁たちの制止も聞かず、あなたは「おらっ」と気楽にその大扉を力任せにガッチャリと押し開けた。
――ギイイイ……と、重々しい音を立てて扉が開く。
その瞬間、室内に充満していたピリピリとした緊迫感と、異様なほどの重圧が飛び込んできた。
視線の先に広がっていたのは、ずらりと並んだ見覚えのある羽織、護廷十三隊の隊長たちが一堂に会する、
他ならぬ隊首会が開催されている真っ最中の部屋だった。
ちょうどその時は、三番隊隊長・市丸ギンの不穏な動向や、尸魂界を揺るがす重大な処遇について、
隊長陣が険しい顔で議論を交わしている最中だったのだ。
突然現れた不審な仮面の女(と、その背後の無法者たち)の乱入に、部屋の空気が一瞬で凍りついた。
総隊長・山本元柳斎重國の鋭い視線が、そして不敵に目を細める市丸ギンの視線が、一斉にこちらを向く。
あなたはガバッと開いた扉の縁に手をかけたまま、固まった。
ずらりと並ぶ護廷十三隊の隊長陣。
総隊長の圧倒的な威圧感と、
市丸ギンの不敵な笑みが突き刺さる中、あなたは冷や汗をかくどころか、秒速で現実逃避の決断を下した。
ぱたんっ!
音速の早さで、あなたは重厚な扉をキレイに閉めきった。
何食わぬ顔でクルッと振り返り、爽やかな笑顔でそう言い放つ
だが次の瞬間――。
ぼこっ!!
愁の容赦ない強烈なチョップが、頭に完璧な軌道で叩き込まれた。
愁はガリガリと頭をかきむしりながら怒鳴り散らす。
暮葉はれんげを回しながら、どこか他人事のようにケラケラと笑っている。
総隊長のいる最悪の部屋を引き当ててしまったものの、
なぜか肝心の緊迫感は宵月隊のマイペースな空気にかき消されていく。
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!