第40話

契機
440
2024/05/24 11:46






_@_
普通に本編を読むと混乱されるかも
しれないので、登場人物について
一応もう一度説明をします
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せせらぎ 彌生やよい
 あなたの育ての母親
 あなたに虐待していた過去あり

・禪院 桃(?)
 直哉の妹
 母親や直哉から虐められていた

・直哉と桃の母親
 名前は今回明かされます
 何故かあなたを庇う傾向あり














 No side













     せせらぎ 文縄あやなは幸運の持ち主であった。






















      御三家に直接仕える名家の家柄

 その長女として生まれ、膨大な呪力量を誇っており、

    誰もが羨む美貌さえも手にしていた文縄は

  家の者達に、蝶よ花よと大切に育てられてきた。



  そんな彼女は禪院家当主である禪院直毘人に嫁ぎ

    多くの男児を産んで禪院家に貢献した。

    中でも直哉は相伝の術式を持つ逸材であり

    多くの者が文縄を''女の鏡だ''と賞賛し

   文縄もまた、自身の幸運に酔いしれていた。






    しかし、そんな幸運と呼ばれる幻夢も

        そう長くは続かない。



    皆が喉から手が出る程羨んだ文縄の美貌も

    齢三十を過ぎた辺りから曇りを見せ始め

   遂には、禪院直毘人は妾を持つようになった。







 加え、その妾は文縄の実の妹である''彌生''であった。

     常に人々からの賞賛を得ていた文縄

 その影に隠れていた彌生、仲の悪さは言うまでもない。






  だからこそ、文縄は焦りと苛立ちを抱えていた。

     今まで当たり前だった自分の座が、

 眼中に無かった妹に奪われようとしているのだから。






禪院 文縄
  ( せめて、また子さえ孕めば
  当主様の気も少しは引けるはず…… )








  その野心の末に孕んだ子こそ''あなた''であった。






      しかし、その子供は文縄にとって

      決して幸運なんかでは無かった。







  文縄様の新たな赤子は、おなごらしい  
  なんだって?今更?  
雑用がこれ以上増えるのも困りもんだな
  あぁ、女なぞ使いもんにならん  
せめて男ならな、能無しでも少しは役立つというのに
  いや待て……アイツの子なら
少しは可愛がり甲斐のある容姿かもしれん
  とはいえ、何年先の話だよ  
そんなに待てるか
  子供の楽しみ方も知らんのか。可哀想な奴だな  
禪院 文縄
  ………は、?  






          彼女はそこで、

     自分がいかに幸運に恵まれていたのか

そして、禪院家における''女''とはどういうものなのかを

         ようやく理解した。





禪院 文縄
  ( なぜ?この子は他の兄達と同じ  
  正真正銘''私の子''だというのに )
禪院 文縄
  ( この子がこの家に産まれたら…… )  
禪院 文縄
  ( 女だ、という理由だけで 
  私の子が辛い目にあうの……? )






    彼女にとって、我が子は自身の血を継いだ

      もう一人の自分のようなもの。

  そんな大切で愛おしい自分の子が貶されるなど

      起きてはならないコトなのだ。





禪院 文縄
  ( この子をどうにか
  この家から離さないと )







   それが、これから起こる悲劇の始まりだった。





































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彌生やよい文縄あやな……名前はふざけてます(
気づく人は気づくかもです🥺

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