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第2話

僕の夢
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2019/07/30 13:00
僕が愛している彼女は自分に自信がない。
もう3年間は付き合っている僕達。
彼女のことを知らないことはないと言ってもいいくらい僕達はお互いに物知りだ。


彼女はどうも両親がろくなやつではなかった。
子供の頃から言われ続けたことは成長して、大人になってもなかなか消えることはない。

重く




深く




胸のなかに沈み本人を苦しませ続ける。




つまり、彼女は臆病な人だ。


僕が『愛している』と言えば

気まづそうに目を逸らし、困ったように眉を下げ、少しの間の後はにかみながら「私も」と言ってくれる。


最初のころは────

『大好きだよ』

「ッ···!!」
『そんな怯えないでよ。僕はキミに見返りを求めて伝えたんじゃないから』
「…」
『でもこれは僕が心の底から思っていることだから、信じてほしいな?』
「ごめん、」
『ごめんじゃなくて、「ありがとう」って言ってよ。今はそれで満足だから』

愛を信じられない彼女に僕は徐々に甘毒を流し込んでいった。



だって、両親の愛さえ信じれなくて。
誰もが1番に注がれるはずの愛情が欠如していた彼女


そんな彼女のからっぽの器に僕だけが満たすことのできる。とても素敵なことじゃない?



愛は依存してしまうもので、知ってしまえば前のようにはいられない。渇きを感じて、どうしても欲してしまう。



「どうしたの?」
『ん?ちょっと考え事してただけ』



失うことが恐怖でしかない。それはお互い。
彼女が去っていくことを想像しただけで気がおかしくなりそうだ。どんな手を使ってでも引き止めて、相手の元に行かせない。絶対に



彼女は僕のこの考えが良いのだと言う。 嬉しいって私にはこのくらいがちょうどいいんだって



『私も君がいなくなることを考えただけで怖いよ。また、カラッポな私に戻るのかって。私の唯一の人がいなくなるくらいなら…その後のつまらない世界を過ごすくらいなら私は死のうとおもえるくらい。

……どう?私の本音は。めんどくさいと思った?』

泣きそうな顔をしている。いつも強い彼女が今は脆く儚く消えてしまいそうに見えて、僕は勢いよく抱きついた。腕の中にいる彼女の存在を確かめるように。そうして僕はこう、言ったんだ





「んーん。そのときは一緒に死のうか。」




これが僕の生涯にかける夢。

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