胸の辺りに感じた、ずしりと重い、
ふわふわした感触に、目が覚めた。
見ると、シェアハウス開始前からの友達、
らびまるが乗っていた。
ぴょこん、と僕の体から飛び降りたらびまるは、
餌をねだる様に、僕の足に抱き付いた。
可愛い、と一人悶えながら、
餌である人参スティックが入っている棚に
手を伸ばす。
かりかり、と一生懸命に人参を食べるらびまる。
らびまるは、僕の高校の兎小屋から、
僕が勝手に連れて来た兎だ。
━━━一緒に、あの地獄から逃げて来た仲間。
服を着替えて、顔を洗って、リビングに降りると、
僕以外は全員揃っていた。
皆が挨拶を返してくれる。
それだけでも、夢かと疑う位に嬉しくて。
僕は幸せ者だ、と微笑んだ。
キッチンには、朝御飯を作る悠くんの姿があった。
朝早くからエプロンを付けて、
僕達の朝御飯を作ってくれている。
本当に、悠くんには感謝しかない。
お茶碗やらなんやらを運ぶ。
いい匂いが鼻を擽る。
美味しそう、と無意識に口から漏れた。
全ての皿を運び終えて、キッチンに戻ると、
悠くんが一点を見つめていた。
その視線を辿ると、
仲良く喧嘩しているいむくんとまろちゃん、
その喧嘩を止めようと必死のないちゃん、
我関せずのりうちゃんが居た。
三者三様、いや、四者四様と言うべきか。
いや、と悠くんが口を開いた。
そして、花が咲く様に笑った。
ああ。
あの時と同じ笑顔。
僕を助けてくれた時と同じ笑顔。
僕の大好きな笑顔。
━━━どうして、そんなに悲しい目をするの?
どうして、そんな事を言うの?
━━━まるで、
此の毎日が、此の幸せが、此の平和が、
無くなってしまうかの様に。
参
名前 有栖初兎
異能力 毒
手から、どんな毒でも生成出来る。
成分、作用、量等は、想像通りになる。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!