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第18話

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2025/08/22 14:47 更新
アルレッキーノ
アルレッキーノ
準備できたか?
あなた
うん、今行く!
今日は珍しく劇を見に行くらしい。

主演はかの有名なフリーナ・ドゥ・フォンテーヌ。
元水神のフリーナ様だ。
私はこの劇を見る前に1度彼女に会った事がある。
観劇を含めるのであれば2回。
2人で劇を見に行くのは今回が初めて。
1度目の事をペルヴィに言ったことは無い。
怒るのが目に見えているから。

それに、当時一緒に行った同僚はもう居ない。
アルレッキーノ
アルレッキーノ
あなたがヒールを履くとは珍しいな
あなた
ペルヴィがヒールじゃ無い方が珍しいよ
あなた
いこ、ペルヴィ
アルレッキーノ
アルレッキーノ
…ああ
歌劇場はいつも以上に賑わっていた。
流石国民的大スター。

その人の多さに関心してたら後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
アルレッキーノ
アルレッキーノ
…旅人達も来ていたんだな
あなた
リネットと一緒にいるね
アルレッキーノ
アルレッキーノ
そっとしといてあげよう
昨日リボンを選ばされたのはこれか〜と思いながら、
その場を離れる。
フリーナ様の新作の初演ということもあり、集まってきた人の中には記者も居る。
それに便乗して芸を見せる無名のマジシャンも居れば、演奏をする吟遊詩人も居る。
あなた
わッ!、
アルレッキーノ
アルレッキーノ
大丈夫か?
…そして熱狂的で周りの見えないファンも居る。
アルレッキーノ
アルレッキーノ
……
あなた
ペルヴィ、私は大丈夫だから
…まあ人が多いから仕方ないとも言える。
なんとかペルヴィを宥めて歌劇場に入る。

そこでようやく足が痛いことに気づいた。

捻ったとかそういうわけでは無い。
…靴擦れかな?
アルレッキーノ
アルレッキーノ
どうかしたか?
アルレッキーノ
アルレッキーノ
…やはりさっきの奴に…
あなた
ううん、ゴミがついてないか見てただけ
あなた
リネットたちが来る前に座ろうよ
アルレッキーノ
アルレッキーノ
…だな
そんなこんなで席に着く。
リネット達の入場を見守り、劇が始まるのを待っていた。
特に話すこともなく、暗い舞台を眺める。

…あそこに立つことのできるような人生はどんなだろうか。
もしあそこに立つような人生だったらどのような人と知り合っていたのだろう。
ペルヴィとクリーヴには出会えていたのかな?
なんて、ぼーと考えてると、
アルレッキーノ
アルレッキーノ
…あのステージに立てるのが羨ましいか?
あなた
…ああ、いや、そういうわけじゃない
あなた
…ただ、あそこに立つ人生だったらペルヴィに会ってたのなぁって思っただけ
アルレッキーノ
アルレッキーノ
なら、今の生活に不満は無いんだな?
あなた
もちろん、幸せだよ
そんな他愛ない会話をする。
気づけば舞台の暗闇は周りを飲み込んだ。



その舞台を見れば見るほど、
引き摺り込まれる魅力がたしかに存在する。

それを実感しながら、2人でこの空気に酔うのも悪くないなと思う。
あなた
…凄かったねぇ〜
アルレッキーノ
アルレッキーノ
ああ、そうだな。
アルレッキーノ
アルレッキーノ
もう遅いし、リネット達に鉢合わせる前にここを出よう
あなた
うん、そうしよう
そう言って席から立った瞬間に先ほどの痛みが蘇る。
あなた
っ!
アルレッキーノ
アルレッキーノ
…やはり靴が合わなかったか
アルレッキーノ
アルレッキーノ
それとも、さっきの輩が作った傷か?
あなた
…多分、靴擦れ…
アルレッキーノ
アルレッキーノ
…ならまずは人気のないところに行こう。
アルレッキーノ
アルレッキーノ
少し我慢できるか?
あなた
…うん
一周回って裸足で歩きたいな…なんていう気持ちを抑えて歩く。
少し歩けば街灯に照らされた人のいないベンチがあった。
アルレッキーノ
アルレッキーノ
慣れないヒールを履くとこうなるのは予想できただろう…
あなた
うん、だから絆創膏持ってきた
アルレッキーノ
アルレッキーノ
…そうじゃない
あなた
えへへ…
そう呆れつつも絆創膏をつけてくれるところが好き。
アルレッキーノ
アルレッキーノ
私の靴を履きなさい
あなた
えぇ、それは悪いよ…
あなた
てか私履かなくていいよ?
アルレッキーノ
アルレッキーノ
何を言ってるんだ…
あなた
少し散歩しようよ、ダメ?
アルレッキーノ
アルレッキーノ
…足が冷える前には帰るぞ
靴を片手に手を繋いで歩く道は悪くない。

潮風が少し冷たいような気はするが、芯まで冷え切るほどではない。
アルレッキーノ
アルレッキーノ
随分と楽しそうだな
あなた
解放感を全身で味わってます
アルレッキーノ
アルレッキーノ
ははっ、その通りだな
あなた
それより、靴私が持つよ流石に
アルレッキーノ
アルレッキーノ
いや、いい。どうせ後で何か拾うだろう?
あなた
私を何歳だと思ってんの?
こうは言ってるが、5分もすればしゃがんでなにかしているはずだ。
…今回の劇は確かに素晴らしかった。
文句のつけどころは無い。

確かに楽しめた。
あなたも楽しそうに微笑んでいた。
コロコロと表情の変わるあなたは面白かった。
あなた
…あ!猫!
あなた
ペルヴィ、早く!
アルレッキーノ
アルレッキーノ
おっと…
それでも私は2人きりの彼女の方が好きだ。
飾らない、ありのままの彼女のほうがいい。
アルレッキーノ
アルレッキーノ
噛まれるかもしれないぞ
あなた
大丈夫、この子は噛まない気する!
これからは月に一度くらいの頻度で外に出よう。
そうすれば彼女も喜ぶだろう。
…ああ出る前にはちゃんと跡をつけておかないとだな。
あなた
ほらこの子噛まないよ!
…あと指の付け根も…。
あなた
ペルヴィ?
アルレッキーノ
アルレッキーノ
…ああ、すまない
アルレッキーノ
アルレッキーノ
少し考え事をしていた
あなた
もー、なに考えてたの?
アルレッキーノ
アルレッキーノ
次はどこに行こうか考えてただけだ
あなた
次?
アルレッキーノ
アルレッキーノ
ああ
あなた
…うーん……。
あなた
…うん、行きたいところあったら言うね
アルレッキーノ
アルレッキーノ
そうしてくれ
アルレッキーノ
アルレッキーノ
次はヒールのない靴で行くことを忘れずに
あなた
別のヒール履けないわけじゃないから!
…たまにはこんな日も悪くないだろう。
番外編





今日はペルヴィの誕生日。
子供達が用意したカードに花を付け足して旅人に託した。

窓から見た景色はみな幸せそうに笑っていた。


目を離した隙に主役が消えたと思えば、
アルレッキーノ
アルレッキーノ
あなた
あなた
あれ、ペルヴィもう帰ってきたの
アルレッキーノ
アルレッキーノ
遅くなった方だと思っていたのだが
あなた
後一時間はあっちにいると思ってた
アルレッキーノ
アルレッキーノ
…まあ…それより、君はなぜあの場にいなかったんだ?
あなた
子供達だけとの時間を取るのも大事でしょう?
あなた
あと、私は上から見守ってたよ
アルレッキーノ
アルレッキーノ
ああ知っている
あなた
…とにかく、誕生日おめでとう
アルレッキーノ
アルレッキーノ
ありがとう
あなた
これからも末長くよろしくね
アルレッキーノ
アルレッキーノ
ああ、こちらこそ
アルレッキーノ
アルレッキーノ
君からプレゼントはないのか?
あなた
花じゃ足りなかった?
アルレッキーノ
アルレッキーノ
あれはやはり君からのプレゼントだったか
あなた
…冗談だよ、あれはみんなで選んだ物
そう言ってポケットからブレスレットを取り出す。
あなた
どうせならチョーカーとお揃いがいいと思ってね
アルレッキーノ
アルレッキーノ
……まさか本当に用意してるとは
あなた
リネットに頼んで買ってきたの
アルレッキーノ
アルレッキーノ
…ありがとう、大事にさせてもらおう
あなた
うん
…これなら流石に誰もぺルヴィを狙わないだろう。
自分から見てもあからさまだもん。
…みんなのお父様であるペルヴィが好きなはずなのに、
その姿を見て嫉妬してしまう。
矛盾しているのに否定できない。

でも、今この瞬間は私のペルヴィだ。

自然体の飾らない、私のことが大好きなペルヴィ。
アルレッキーノ
アルレッキーノ
…あなた、愛してる
あなた
私もだよ、ペルヴィ
…私だけのペルヴィだ。

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