第6話

淡い期待
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2024/03/12 11:57
仕事が終わった。

ラウールくんの告白に唖然として忘れてたけど、


今日は遊んで帰る日。

足が重い、行きたくないなぁ、、


関係を切ればいいって周りは思うかもしれないけど、お金くれるから切れないんだよね。

ラウールくん、きっと素敵な人がいるよ、もっと綺麗で純粋な人がいいよ。

俺なんかより、ずっといいよ、ラウールくんは
まだ若い、こんな汚れた俺を、
辰哉
考えるだけ、無駄
あ、そういえば、阿部ちゃんに貰ったチケット、
康二いつ誘おうかな、

可愛い康二を考えて、気を紛らわそうとするけど、
あのおじさんが脳裏に浮かぶ、
辰哉
ドタキャン、したら怒られるよな
流石にダメか、はぁ、行くしかないかぁ



大丈夫、おじさんとやったところで何も減らない
お金が増えるだけ。
辰哉
よし、行くか、
メッセージで送られていた、ホテルの場所まで歩いた。
おじさん
やぁ、辰哉くん、来てくれたんだね
辰哉
はい、お久しぶりですね
媚びを売るように、甘ったるい声を出して、
おじさんをその気にさせる。
早くその気にさせて、早く終わらせて帰ろう。
おじさん
さぁ、入ろうか
辰哉
おじさんっ!今日、俺準備してきたの、だから今日は早く入れてほしいの
準備なんてしてるわけないし、早く入れて欲しいわけでもねぇけど、

早く終わればいい
おじさん
辰哉くん、今日はやけに積極的だねぇ
ニヤニヤした顔でそう言うおじさん
気持ち悪ぃ
辰哉
そういう気分なの、だめ?
おじさん
だめなわけないよ笑
さ、早く行こうか
俺、その気にさせるの得意みたい

お得意の上目遣いでだめ?ってやると

大概のやつは俺に落ちる
部屋に入ったらいきなりがっついてきやがった

気づいた時には俺は服を脱がされて、

裸でベッドに押し倒されてた
辰哉
今日、早くない?笑
おじさん
そう?早く辰哉を堪能させてよ
辰哉
んふ、変態だね
ニヤニヤして、いやらしい手つきで俺を触ってくる。

入り口を触られると、手つきが止まった
おじさん
辰哉くん、もしかして、誰かとシた?
え、いきなり何言ってんの
辰哉
んぇ?なんで??
おじさん
すごく柔らかいんだけど
辰哉
ぁ、え、きょ、今日のために準備してきたの!
おじさん
ふふ♡かわいいねぇ辰哉くん
おじさん
まさか、俺以外にも関係持ってるヤツがいるのかと思ったよ、
辰哉
はは、まさか笑そんな訳ないよ
辰哉
俺にはおじさんしかいないよ笑
おじさん
そうだね♡
辰哉
もし俺が、他の人と関係持ってたらどうしたの?
おじさん
関係持ってるヤツがいるのか?
さっきの表情とは裏腹に、険しい顔つきになり、
詰めてくるおじさん、

やばい、地雷踏んだかも
辰哉
い、いや、例えばだよ?
おじさん
辰哉くんが他の奴と関係を持ってても、
君を離さないよ♡
辰哉
ヒュッ、
息が詰まった、

こんなにも恐怖に満ちた夜は無かった。

今まで暴力してくるやつとか、色んな人がいた、
けど、

この人の顔は狂気満ちてる。

もう逃げられない、そんな気がした。
おじさん
あれ、辰哉くん、腰が逃げてるよ?♡
身体が否定してるのに、俺は逃げることができない、

哀れな奴、可哀想なやつ、

いつか翔太にも、愛想つかされるんだろうな、
辰哉
翔太っ、
おじさん
今、なんて言った?辰哉くん、
翔太って誰?
やばい、無意識に名前を呼んでたみたい、

おじさんの腰の動きが更に早くなり、乱暴になってくる
辰哉
なんでもないッ、グス
おじさん
泣いてるの?可愛いね♡
生理的な涙が溢れてくる、


早く終われ、早く、、

誰か助けて、お腹が苦しい、腰もしんどい、
数時間後、俺はもう体力は無く、ベッドに沈んでた。

顔は涙と汗でぐちゃぐちゃ
お尻も気持ち悪い、

お腹も気持ち悪い、
おじさん
辰哉くん、私は明日仕事早いから帰るね、
ここにお金置いておくから、ホテル代も払っておくね
辰哉
ぅん、
ヤリ捨てかよ、


おじさんが部屋を出て行ったのを確認して
もう一度枕に顔を埋める
辰哉
グスッ、おれ、なんでこうなっちゃったんだろ
どうやって帰ろうかな、腰痛いから動けないや


とりあえず、携帯を取り出して、

誰かに連絡しようにも、
こんな醜い今の姿を誰かに晒すことはできない。

連絡先を探していたら目に入った文字


"渡辺翔太"

時計を見れば日を跨いでて、1時を過ぎそうになっていた。
辰哉
今、連絡したら怒るかな、寝てるよね、
少し期待しながら、電話してみる


3コールで出なかったらやめよう。


プルルル、プルルル、プルルル、、、
辰哉
出ないか、笑
翔太
"はい、どうした?"
あ、出た
辰哉
あ、珍し、起きてんだ
翔太
うん、今帰ってきた
翔太も遊んでたのかな

じゃあ疲れてるよな
辰哉
そっか、じゃあいいや
翔太
なんだよ、おじさんとなんかあったのか?
こういう時に限って、感がいいよね
辰哉
なんかあったっていうか、地雷踏んじゃって、
翔太
乱暴にされたのか、大丈夫か?
今まで溜めてた気持ちが爆発してしまう。
辰哉
俺、怖くて、いつもはそんなことないのにッ、グスッ
翔太
今から行くから、待ってろ、
位置情報送ってって言われて、送った
辰哉
来てくれるんだ、優しいね、
翔太
当たり前だろ、愛してるんだから
辰哉
ふふ、そうだね笑
翔太
着くまで、電話繋いどくな
辰哉
うん、ありがと
ありがとう翔太、

俺、翔太がいないとやっぱりダメだなぁ、


翔太の声を聞きながら、翔太が来てくれるのを待った。

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