翔太side💙
仕事が終わって、暇だから久しぶりに
幼なじみの涼太を誘って飯に行った。
家に帰ると1時を過ぎようとしていて、
早く風呂入って寝よう、そう思ってたら
いきなり電話がかかってきた
名前を見ると
"深澤辰哉"
え、なんかあったのか?
ふっかがこんな時間に電話するなんて滅多に無い
弱々しいふっかの声。
絶対おじさんだろ、
ふっかのこんなに弱った声、初めて聞いたかも、
事情を聞いて、ふっかを迎えに行くことにした。
今日はお酒を飲んでないから車を運転できる。
不幸中の幸いだな、
位置情報をもらって、ふっかのいるホテルまで車を急いで走らす。
幸いにも俺の家からそんなに離れたホテルじゃなかったから、数分で着いた。
1回電話を切って、ふっかの部屋まで急ぐ
ガチャ
部屋に入ると、男臭い匂いがした。
うわ、相当やられてんな、
ベッドに埋もれてるふっかを見つけて声をかける、
弱ってんなー、まぁ、男にやられるのはキツいって言うしな、
遊ぶのも大変だよな、
きっと汗とか、男のやつとか、色々体に着いてるだろうからシャワーを勧める。
中に何回も出されたんだろう、
相手も、やるなら少しはふっかに配慮してやれよ、
激しく動いてたらお腹気持ち悪くなる感じか、
胃が振られてる様な感じ
そりゃキツいわ、
ふっかを待ってる間、散らばってるふっかの荷物をまとめておいてやる。
机を見ると、めっちゃ分厚い封筒が置いてあった、
多分、金、ふっか曰くあのおじさんは
結構乱暴で、えぐいけど、
その分くれる額がえげつないらしい、
やばいよなぁ、
ふっか自身は離れたいと思ってるらしいけど、
そう簡単に離れさせてはくれないらしい。
1回終わりにしたいって言った時があったんだけど、
こっちは金払ってんだぞって
ふっかが潰れるまでやられて、その日も俺に電話がかかってきたことがあった。
その時はまだ、出会ってあんまり経ってなかったから、ふっかはヘラヘラしてたけど、身体は震えてたのを俺は知ってる。
今はもう、少しは弱音吐いてくれるようになったけど、まだほんの少しだけだと思う。
ふっかも分厚さを見て驚いてる
おぉ、それでもエグイな
2人で恐る恐る数えてみる。
えぐ、、え、そんな貰えんの?
辰哉くんへ♡
今回は給料いっぱい入ったから
たくさん入れておくネ
またよろしくネ♡
ホテルから出て、ふっかを車に乗せて
とりあえず夜遅いし、俺ん家に来た
家に着いた頃にはふっかは疲れて寝そうになってた
平気そうに装ってるけど、
怖かったろうな、俺なら殴ってとか言いたいけど、
実際は怖くて、抵抗すらできないんだろうな。
湯船に浸かってボーっとする
気づけばもう2時半、
風呂から上がってリビングに戻ると、
ソファーでクッションに埋もれてるふっかがいた。
腰痛いのに、待っててくれたんだろう、
けど睡魔に負けて寝てしまったんだな、
こんなに白くて綺麗だったら、そりゃ男でも
抱きたくなるのは分かる。
俺も、ただの遊び相手、深入りする気もされる気もない。
だけど、面と向かって助けを求められるなら
俺はいくらでも助けるよ
いつか言われたんだよ、
"翔太はヒーローみたいだね"って、
いつ言われたかは覚えてないけど笑
声をかけてみるけど、完全に眠ってしまってるみたいで、起きる気配は無い
寝てるふっかを抱えて、寝室のベッドに寝かせた。
いつも通り、腰を温めるように、俺もふっかを抱きしめて眠った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。