Cクラスの15人が無事合格となり、祝勝会を行っていた。
その陰で、本部にてS.P.E.C.T.R.E.の全部隊隊長が一堂に会する会議が進行していた。
沈黙。
「ルルイエ」という言葉が何を示すのか、言葉を交わせずともこの場にいるものは全員理解していた。
アストラルと謎の触手。
そして”アレ”がほつれた可能性。
場が沈黙に包まれた。
もしそんなことがあれば、日本どころか世界、宇宙が終わる。
そんな沈黙を破ったのは朝倉だった。
鞄からスケッチブックを取り出し、絵を描いていく。
これは朝倉の能力「未来予想図」だ。
未来に起こることを事前に絵として表現する。
書かれた絵はどれも抽象的で、何を示すのか考察する必要がある。しかし、そんな欠点も情報部部長の頭脳によれば些細なものでしかない。
ただ一つの欠点は、自分のタイミングで絵を描けないことだろうか。
今回の絵はタコの触手がトライデントに巻き付き、空には裂け目が走っている絵だった。
祝勝会から一変、翌日の学校は静まり返っていた。
今回の臨時合格は異例の事態で、規定では大規模作戦に参加し、結果を残すことで完全な合格となるそう。
とはいえ、これは建前のようなものなので合格と取っても構わないらしい。
話では襲撃がトラウマになって辞退者が出たそう。
その分の補充で優秀者をスライド合格にしたというわけだ。
そして教室の扉が開き、三人入ってきた。
一人は誰かわからなかったが、二人はわかった。
何より、最後に入ってきた一人が伊織を驚かせた。
次章予告
――海の底に、都市がある。
かつて存在したはずのない文明。海底に眠る巨大都市――ルルイエ。
そこには、地上の人類が知らない「怪異」と「神」の歴史が刻まれていた。
S.P.E.C.T.R.E.は、ルルイエ自衛隊との共同調査を開始。
都市の最深部に突き刺さるトライデント。それは何かを封じているのか。
それとも――
そして、海底で目を覚ます巨大な影。ニャルが初めて見せる、怯えた表情。
これは、怪異を倒す物語ではない。世界が、神話に呑まれる。
NØVA ― 海底都市編 ―
「その海には、神がいる。」












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。