あなたside
…皆さん、大変なことになりました。
体育大会実行委員長を決めることになった今日。
くじを引いた結果、見事に当たりました。
慣れない学校生活2日目にして早速、途方に暮れる私でした。
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昼休み、そう言われて渡されたのは、ダンボール1箱に大量に入った紙の束。
ズッシリちゃんと重い。
普通こんなの女子に渡すか?
一瞬先生を恨みそうになる。
重くて足がよろめきながらも、しっかりと倉庫に近づいていた。
後ろからの急な声で、ビクッと震える体。
その拍子に、紙が宙を舞う。
後ろの声に振り向かずに、急いで紙を拾う。
最後の1枚に手を伸ばす。その時、もう一つの手と重なった。
すぐに離される手。
そう言って光輝先輩は、あの重い箱を軽々と持ち上げた。
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お目当ての倉庫は、さびた匂いがして埃が舞っていた。
光輝先輩にそう告げ、倉庫の奥に進む。
奥の棚の前に立つと見える、リレーで使うバトンやメガホンの山。
手を伸ばしてみるが、私の身長では高くて届かない。
近くにはしごがあるのをみつけ、手を伸ばす。
埃がかぶっているせいか、少し滑りやすかった。
やっとの事で取れ、少しひと安心する。
降りようとした時、足がハシゴの上から離れるのがわかった。
ドンッ
高いところから落ちたはずなのに、そんなに痛くなかった。
それに、なんだか暖かいものに包まれてるような感覚がある。
顔を上げると、キスしそうなほどの距離に光輝先輩の顔があった。
私は今、光輝先輩の上から抱きついているような状態だ。
びっくりして離れようとするが、腰に光輝先輩の腕があり起き上がれない。
やっと離される体。
ハシゴから落ちた恐怖と今のドキドキで、胸の鼓動は速さが増すばかりだ。
ふと、光輝先輩を見るとそっぽを向いていたが、耳は真っ赤に染っていた。
光輝先輩も、ドキドキしていたのかと思うと、ものすごく恥ずかしいかった。
私はこの場の空気から早く逃げ出したくて、走って外へ出た。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。