第10話

縮む距離
1,180
2020/03/16 12:38 更新
あなたside
…皆さん、大変なことになりました。
結城理一先生
結城理一先生
じゃあ、実行委員長よろしく!
椎野(なまえ)
椎野あなた
ははぁ…。
体育大会実行委員長を決めることになった今日。
くじを引いた結果、見事に当たりました。
椎野(なまえ)
椎野あなた
(実行委員長って何するの…。)
慣れない学校生活2日目にして早速、途方に暮れる私でした。
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結城理一先生
結城理一先生
体育大会で使う道具を倉庫から持ってきて欲しいんだが…。
椎野(なまえ)
椎野あなた
分かりました。
結城理一先生
結城理一先生
ついでに、この資料を置いてきてくれ。
昼休み、そう言われて渡されたのは、ダンボール1箱に大量に入った紙の束。
椎野(なまえ)
椎野あなた
重っ。
ズッシリちゃんと重い。

普通こんなの女子に渡すか?
一瞬先生を恨みそうになる。
椎野(なまえ)
椎野あなた
倉庫ってこっちだよな…。
重くて足がよろめきながらも、しっかりと倉庫に近づいていた。
椎野(なまえ)
椎野あなた
あと、もう少し…。
天堂光輝
天堂光輝
あなた!大丈夫!?
後ろからの急な声で、ビクッと震える体。
その拍子に、紙が宙を舞う。
椎野(なまえ)
椎野あなた
あっ…!
後ろの声に振り向かずに、急いで紙を拾う。

最後の1枚に手を伸ばす。その時、もう一つの手と重なった。
天堂光輝
天堂光輝
っ、ごめん。
すぐに離される手。
椎野(なまえ)
椎野あなた
いえ…
天堂光輝
天堂光輝
俺、運ぶよ。
そう言って光輝先輩は、あの重い箱を軽々と持ち上げた。
-- 
お目当ての倉庫は、さびた匂いがして埃が舞っていた。
椎野(なまえ)
椎野あなた
それ、そこにしまってください。
天堂光輝
天堂光輝
わかった。
椎野(なまえ)
椎野あなた
私、取ってくるものあるので待っててください。
天堂光輝
天堂光輝
え、あっ…
光輝先輩にそう告げ、倉庫の奥に進む。
奥の棚の前に立つと見える、リレーで使うバトンやメガホンの山。

手を伸ばしてみるが、私の身長では高くて届かない。
近くにはしごがあるのをみつけ、手を伸ばす。

埃がかぶっているせいか、少し滑りやすかった。
椎野(なまえ)
椎野あなた
よいしょっと。
やっとの事で取れ、少しひと安心する。
降りようとした時、足がハシゴの上から離れるのがわかった。
椎野(なまえ)
椎野あなた
うわっ、!
ドンッ
高いところから落ちたはずなのに、そんなに痛くなかった。

それに、なんだか暖かいものに包まれてるような感覚がある。
天堂光輝
天堂光輝
大丈夫…?
椎野(なまえ)
椎野あなた
顔を上げると、キスしそうなほどの距離に光輝先輩の顔があった。

私は今、光輝先輩の上から抱きついているような状態だ。
椎野(なまえ)
椎野あなた
うわっ、
びっくりして離れようとするが、腰に光輝先輩の腕があり起き上がれない。
椎野(なまえ)
椎野あなた
光輝先輩…?
天堂光輝
天堂光輝
…え、あっ。
やっと離される体。
椎野(なまえ)
椎野あなた
(…びっくりしたぁ。)
ハシゴから落ちた恐怖と今のドキドキで、胸の鼓動は速さが増すばかりだ。
ふと、光輝先輩を見るとそっぽを向いていたが、耳は真っ赤に染っていた。
椎野(なまえ)
椎野あなた
〜っ、先に失礼します!
光輝先輩も、ドキドキしていたのかと思うと、ものすごく恥ずかしいかった。

私はこの場の空気から早く逃げ出したくて、走って外へ出た。

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