第6話

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2020/03/12 12:20 更新
あなたside
私は気持ちいいそよ風に身を乗り出していた。

鳥の鳴き声、葉がかすれる音。
クラスの生徒は口々にこう言う。『王子』って。
今日1日で、どれだけ聞いたことか。

早く、王子地獄から抜け出したくて、やっとの思いでたどり着いたのがここ、"屋上"だった。
天堂光輝
天堂光輝
ちょっ、早まるな…!!
その声と共に、地面に倒される私。

せっかくの休みを奪われてしまった…。
それと同時に、あることに気づく。
椎野(なまえ)
椎野あなた
(…え?ない…。)
"あれ"がない…。
さっき、身を乗り出した時、下に落としたのだろうか…。

私は思わず駆け出した。
それをなくしたことがきっかけで、物語は始まりを迎えたのだった。

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