光輝side
放課後
あなたに会って半日。
分かったことは大人しいという事だけ。
俺は陸にボールをパスをする。
ダンス。それが俺らの特技だった。
"いつもの場所"というのは屋上のこと。
ダンスの他にもバスケが得意で、よく3人でドリブルの競走をしている。
口を開いてぼそっとつぶやく、海司。
廊下であなたのことを話している2人の後ろで、俺は黙って聞いていた。
海司が屋上の扉を開けた途端、
屋上を見るなり大きな声で叫ぶ2人。
俺も、2人の間から屋上を見る。
目を凝らすと、奥の方に人影が見えた。
そこにいた人は、屋上の柵から身を乗り出していた。
俺は、何も考えずにその人の元へ思いっきり走った。
ドンッ!
俺はその人を抱きしめるように、柵から離す。
その拍子に、身体を地面にぶつける。
あなたはキョトンとした顔でこちらを見る。
まるで何も無かったかのように。
海司の一言でやっと理解したような顔をするあなた。
あなたはにこにこしながら説明してくれたが、全然説明になっていない。
俺たちに謝るあなた。
でも、そういう意味じゃなくてほんとに良かった。
急に顔色が変わり、無言になるあなた。
首元を手で触って、焦っていた。
陸が聞いても、あなたは反応しない。
どんどん顔色が悪くなっていく一方だ。
その途端あなたは、屋上の扉に向かって走り出した。思いっきり扉を開けて、どこかへ行ってしまう。
その時、俺は地面に転がっている光る物を見つけた。
手に取ってみると、ペンダントのようだった。
そのペンダントには、高そうなダイヤがついていた。
貴族にしか買えなさそうな、大きいダイヤ。初めて目にして、感動する。
俺はハンカチを取りだし、ペンダントを優しく包む。
そして、注意深く大切に鞄の中にしまった。

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!