あなたside
HR終了後
彼は子犬のように、真っ先に私に話しかけてきた。
私のお礼の言葉は、その一言で遮られた。
ちょっとガラが悪そうな生徒が会話に入ってくる。
この人もオーラが違う。いわゆる王子なのだろうか…。
また新しい王子が出てきて、目が回る私をカバーしてくれる光輝先輩。
時計を指して、話を逸らす。
「はーい」と口々に言って自分の席に戻る王子たち。
後ろの席に座った彼が私の肩を叩いて言った。
私と竜先輩の会話を遮るように、話し始めた光輝先輩。
グイッと竜先輩が、光輝先輩の肩を掴む。
私の目を見て勘づいたのか、黙って手を離す竜先輩。
ヤンキーぽくて、ガラが悪いけど、案外素直なところを見て、思わず笑みがこぼれる。
今日から新しい生活が始まる。
そう思うと、心がモヤモヤして仕方がなかった。
窓の外には雲ひとつない空が広がっている。
まだこの時は気付いていなかった。
この学園に雨雲が近づいているということに。
私は、首元にあるペンダントを握りしめた。

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!