付き合って3ヶ月の今日。
普通のカップルだったらインスタのストーリーに3ヶ月おめでとうとか
周りの子から祝われているのだろうけど
私達は違う。公開していない。
いわゆる陰キャの私。そして明るくて先生や友達からの人望も厚いナヨン
誰がどう見ても不釣り合いで、私のせいでナヨンが悪く言われるのは嫌だから
そう言って学校では話さないようにしている。
この3ヶ月、何か用があればその時は話しかけるという形式でどうにかやり過ごしていた私達
今日もまた用事があるんだろうなと用件を聞く
こんな淡々とした会話も慣れた。
みんなの思う理想とは違う恋愛だけど、それでも私は別にいいと思っている。
こちらも準備を済ませて廊下へ出る
何か変だ。いつも用件がある時は大体職員室だったり体育館なのに、
今日は普段ほとんど使われていない理科準備室
鍵はかけられていないし、内鍵だからすぐに開けられるような部屋
準備室は校舎の中でも一番使われていない4階の端にあって、
階段を上がれば人はいないも同然だった
階段を上がって気付けば私の手はナヨンの手と繋がっていて、
少し痛いくらいの力で握られていた
手を握られたかと思えば思い切り腕を引かれて準備室へ放り込まれる
ナヨンも入って内鍵を素早く閉める。まるでプロのようだ。
目の前にあったソファに倒れ込むように投げられた私
体制を整える前にナヨンが上に馬乗りになる
そう言った途端、私の制服に手をかける
それはさすがにやばいと思ってナヨンの腕を止める
私の制止は全く効かず、むしろ早くなった。
ボタンを全部外されたと思ったら今度は唇を奪われる
小さく頷けば今度は下着の中に忍び込もうとする手
さすがにダメだと思ってナヨンを突き放す
不安?ナヨンが?何が不安?
学級委員で人望もあって私なんかにはもったいないくらいの子なのに
もっと落ち着いてるイメージがあっただけに衝撃も大きかった。
こんなことで悩んでたなんて。こんなことは失礼か
噂になってるから不安?そんなばかな。
そんなことで...可愛すぎか
ナヨンがそう言った瞬間にチャイムが鳴る
その時ナヨンの目が光った気がする
その目で思い出してしまった
今の私の状況
刺激的で一生忘れられない一日だった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!