第36話

準備室 ナヨン
5,958
2021/04/10 10:01
ナヨン
ナヨン
あなたさん、ちょっといい?
あなた
...どうしたの?



















付き合って3ヶ月の今日。









普通のカップルだったらインスタのストーリーに3ヶ月おめでとうとか









周りの子から祝われているのだろうけど









私達は違う。公開していない。









いわゆる陰キャの私。そして明るくて先生や友達からの人望も厚いナヨン








誰がどう見ても不釣り合いで、私のせいでナヨンが悪く言われるのは嫌だから









そう言って学校では話さないようにしている。









この3ヶ月、何か用があればその時は話しかけるという形式でどうにかやり過ごしていた私達









今日もまた用事があるんだろうなと用件を聞く





ナヨン
ナヨン
ちょっとね、準備を手伝って欲しいのよ
あなた
ん、いいよ
あなた
ちょっとだけ待ってもらうことできる?
ナヨン
ナヨン
分かった、廊下で待ってるわね
あなた
ありがとう


こんな淡々とした会話も慣れた。









みんなの思う理想とは違う恋愛だけど、それでも私は別にいいと思っている。









こちらも準備を済ませて廊下へ出る






あなた
お待たせ、ナヨンさん
ナヨン
ナヨン
...行きましょうか
あなた
...?うん




何か変だ。いつも用件がある時は大体職員室だったり体育館なのに、









今日は普段ほとんど使われていない理科準備室









鍵はかけられていないし、内鍵だからすぐに開けられるような部屋









準備室は校舎の中でも一番使われていない4階の端にあって、









階段を上がれば人はいないも同然だった









階段を上がって気付けば私の手はナヨンの手と繋がっていて、









少し痛いくらいの力で握られていた





あなた
えっ、ちょっと、どうしたの?






手を握られたかと思えば思い切り腕を引かれて準備室へ放り込まれる









ナヨンも入って内鍵を素早く閉める。まるでプロのようだ。









目の前にあったソファに倒れ込むように投げられた私









体制を整える前にナヨンが上に馬乗りになる





ナヨン
ナヨン
ねぇ、いつまで我慢させる気なの?
あなた
え、何が?
ナヨン
ナヨン
なんで付き合ったのにこんなに我慢しなきゃならないの?
ナヨン
ナヨン
私、もう我慢できないわ





そう言った途端、私の制服に手をかける









それはさすがにやばいと思ってナヨンの腕を止める





あなた
待って!ここ学校!
ナヨン
ナヨン
...だから?こんなに我慢させたあなたが悪いじゃない
あなた
何がそんなに不満なの?
ナヨン
ナヨン
分からないの?
あなた
...うん
ナヨン
ナヨン
分からないなら分からないでいいわ。
あなた
え?






私の制止は全く効かず、むしろ早くなった。









ボタンを全部外されたと思ったら今度は唇を奪われる





あなた
へ...まっ.........んぅ......
ナヨン
ナヨン
......っは
ナヨン
ナヨン
分からないなら分かるまで教えてあげるわよ
あなた
待って...それダメ......
ナヨン
ナヨン
ダメ?ダメじゃないわよ
あなた
ここ学校だから...
ナヨン
ナヨン
何?したくなっちゃったの?







小さく頷けば今度は下着の中に忍び込もうとする手








さすがにダメだと思ってナヨンを突き放す





あなた
ダメだって......!
ナヨン
ナヨン
......こんなになるまで我慢させたあなたが悪いじゃない
あなた
我慢って...
ナヨン
ナヨン
私がどれだけ我慢したと思ってるの?
あなた
何を?
ナヨン
ナヨン
私がなんで告白したのか分かってないのね
あなた
どういうこと...
ナヨン
ナヨン
...ただのクラスメイトが嫌だったから。
あなたの特別になりたかったのに
ナヨン
ナヨン
今の所何にも変わってないじゃない
ナヨン
ナヨン
あなたに嫌われたくないから
あなたの意思を尊重してたけど
ナヨン
ナヨン
もう...もう我慢ならないのよ!
いつまでクラスメイトでいるつもり?!
ナヨン
ナヨン
不安で不安で仕方ない私の気持ちも知らずに!






不安?ナヨンが?何が不安?









学級委員で人望もあって私なんかにはもったいないくらいの子なのに









もっと落ち着いてるイメージがあっただけに衝撃も大きかった。









こんなことで悩んでたなんて。こんなことは失礼か





あなた
ごめんね、気づけなくて...
ナヨン
ナヨン
いいわもう...気付いてないんだろうなってことくらい知ってたわよ
あなた
そんなに不安だったのはなんで?
ナヨン
ナヨン
あなたってほんと鈍感よね。
気付いてないの?
あなた
...?
ナヨン
ナヨン
あなた有名なのよ?
ナヨン
ナヨン
自分では陰キャって思ってるだろうけど
顔は整ってて身長は高いし声かっこいいし
ナヨン
ナヨン
話せば優しく微笑むのとか、いろんな人にしてるんでしょ?
ナヨン
ナヨン
噂になってるのよ






噂になってるから不安?そんなばかな。









そんなことで...可愛すぎか




ナヨン
ナヨン
今そんなことでって思ったでしょ
あなた
え?それは思ってない...よ?
ナヨン
ナヨン
優しく微笑むのだって私だけにして欲しい
手とか顔とか触れられるのも私だけがいい
ナヨン
ナヨン
全部私だけにして欲しいのに...
あなた
.......ナヨンって、意外と束縛系なんだね?笑
ナヨン
ナヨン
何よ、悪い?
あなた
んー?可愛い
ナヨン
ナヨン
なっ...///またそうやって......///
ナヨン
ナヨン
そういうのだって!私だけにしなさいよね!
あなた
ナヨン以外に向けたことなんてないよ
ナヨン
ナヨン
それならいいわ
今もこれからも私以外に向けたら怒るから
あなた
ナヨン可愛い笑
ナヨン
ナヨン
...またそうやって...自分が置かれてる状況分かってるの?
 



ナヨンがそう言った瞬間にチャイムが鳴る









その時ナヨンの目が光った気がする









その目で思い出してしまった









今の私の状況







































ナヨン
ナヨン
二人でサボり決定ね?
ナヨン
ナヨン
しっかり反省してもらうわよ































刺激的で一生忘れられない一日だった




















プリ小説オーディオドラマ