前の話
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船内はゆらゆらと少し波にのられ揺れている。
小さいコンピュータの卵ができたからと言ってゲームができる訳ではない。
最近はプログラムを書いてばっかりだそのこと自体は凄く楽しいが、今はなにか他のことをやりたい衝動に僕は駆られていた。というか、普通に暇だ。
そう僕がため息混じりに呟く。
千空達のとこにでも行こうか思ったが、なにやら月に行くとかで忙しいようだ。邪魔になったら悪いと思いやめた。僕より若いのに凄いなと感心する。
急にこんこんとドアを4回ノックする音が聞こえる。
そう僕はドアの向こうが誰かもわからずに入室を許可する。別に来られて困るなんてことはない。
げっなんて反射的に声が出てしまった。
龍水の方に視線をやると、目線を下に落としている。
さっきは反射的に出てしまったが別に嫌がったわけではない。それに、今の僕は暇だ。断る理由なんてない。
終わっていたのなら自分から行けばよかったなんて思いながら、フランソワが置いていってくれたティーピッチャーに手を掛ける、中には冷やされたチャイが入っている。
龍水の前にコップを、置く。
机にはチェス盤、トランプなどテーブルゲームが沢山ある。これ全部できるのか?今はまだ夕暮れ時だが、これから晩御飯もあるし寝る時間を考えたら…いや、よく良く考えれば誰も、全部やるなんて言ってないか。
中略
そう僕が言うとフランソワは承知しましたと言って、部屋を出ていく。
その言葉とは裏腹に、その声は元気そうだ。
そういいながら、龍水はお得意のフィンガースナップを室内に響かせる。
フランソワが、お皿を僕と龍水の前に一つづつ置いていく。
置いていったら、それではと言い残して部屋から出ていく
中略
机の上を片す。
もう外は夜に更けてしまった。ちょうど終わったし、そろそろ僕も眠い。
どこか龍水は端切れが悪い。
なんて言ったが狭いベッドに2人はさすがに狭い。
と言うか兄弟って、この歳で一緒に寝るものなのか?
龍水はあまりピンときてないようだ。
珍しく早くおきた。
横にはすうすうと控えめな寝息をたてている龍水がいる。
よく良く考えれば、龍水があんなによそよそしいのもまだ関わり合い方、というより甘え方が分からないのかもしれない。
僕は龍水がまだ小さい頃に出ていってしまったし、ちゃんと面と向かって龍水と話したことがない気がする。
こう見ると龍水って、顔立ちはいい方なんだなとおもう。綺麗な金色の髪の毛、キリッとつり上がった眉。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。