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第1話

理由
2
2026/06/12 14:51 更新
船内はゆらゆらと少し波にのられ揺れている。

小さいコンピュータの卵ができたからと言ってゲームができる訳ではない。
最近はプログラムを書いてばっかりだそのこと自体は凄く楽しいが、今はなにか他のことをやりたい衝動に僕は駆られていた。というか、普通に暇だ。
_SAI
はぁ、暇だな
そう僕がため息混じりに呟く。

千空達のとこにでも行こうか思ったが、なにやら月に行くとかで忙しいようだ。邪魔になったら悪いと思いやめた。僕より若いのに凄いなと感心する。
急にこんこんとドアを4回ノックする音が聞こえる。
_SAI
いいよ、入って
そう僕はドアの向こうが誰かもわからずに入室を許可する。別に来られて困るなんてことはない。
_龍水
SAI!チェスを一緒にやらないか?
_SAI
げっ…
げっなんて反射的に声が出てしまった。
龍水の方に視線をやると、目線を下に落としている。
さっきは反射的に出てしまったが別に嫌がったわけではない。それに、今の僕は暇だ。断る理由なんてない。
_SAI
僕はいいけどさっ、お前は大丈夫なの?
_龍水
ん?何がだ?
_SAI
千空達と会議してるんじゃないのかよ?
_龍水
それなら終わったぞ
_SAI
それならいいけどっ、そこ座って
終わっていたのなら自分から行けばよかったなんて思いながら、フランソワが置いていってくれたティーピッチャーに手を掛ける、中には冷やされたチャイが入っている。
_龍水
チェス以外も持ってきたぞ、
今日は早く終わったからな
龍水の前にコップを、置く。
机にはチェス盤、トランプなどテーブルゲームが沢山ある。これ全部できるのか?今はまだ夕暮れ時だが、これから晩御飯もあるし寝る時間を考えたら…いや、よく良く考えれば誰も、全部やるなんて言ってないか。
中略

_フランソワ
失礼します、SAI様、龍水様
夕食はこのまま部屋で食べられますか、それとも
_SAI
部屋で食べるよっ、悪いけどまだ終わってないんだ。
なにか片手で食べられるもの持ってきてくれないかな?
そう僕が言うとフランソワは承知しましたと言って、部屋を出ていく。
_龍水
別に俺はこのまま途中で終わらせても良かったが…
その言葉とは裏腹に、その声は元気そうだ。
_SAI
お前だって続きやりたいだろっ?
_龍水
はっはー!流石SAIよく分かったな
そういいながら、龍水はお得意のフィンガースナップを室内に響かせる。
_SAI
別に誰だってわかるよっ!
_フランソワ
失礼します。サンドウィッチを持ってきました
フランソワが、お皿を僕と龍水の前に一つづつ置いていく。
置いていったら、それではと言い残して部屋から出ていく
中略
_龍水
楽しかったぞ
_SAI
お前ほとんど負けてたけどなっ。
_龍水
負けたが楽しいものは楽しい、違うか?
机の上を片す。
もう外は夜に更けてしまった。ちょうど終わったし、そろそろ僕も眠い。
_龍水
……
_SAI
どうしたんだよっ、龍水
_龍水
その、SAIさえ良かったらなのだが……
_SAI
勿体ぶらずに早く言えよっ
どこか龍水は端切れが悪い。
_龍水
一緒に寝ないか?
_SAI
……別に俺はいいけどっ
なんて言ったが狭いベッドに2人はさすがに狭い。
と言うか兄弟って、この歳で一緒に寝るものなのか?
_SAI
お前今日変だなっ。
_龍水
別にいつもと変わりないが……
_SAI
なんか、ぎこちないというか、
よそよそしいだろっ?
龍水はあまりピンときてないようだ。
_龍水
別にそんなことは無いと思うが
_SAI
まあ、別にいいけどさ
珍しく早くおきた。
横にはすうすうと控えめな寝息をたてている龍水がいる。
よく良く考えれば、龍水があんなによそよそしいのもまだ関わり合い方、というより甘え方が分からないのかもしれない。
僕は龍水がまだ小さい頃に出ていってしまったし、ちゃんと面と向かって龍水と話したことがない気がする。
こう見ると龍水って、顔立ちはいい方なんだなとおもう。綺麗な金色の髪の毛、キリッとつり上がった眉。
_龍水
そんなに見つめるとは無粋だぞ?
_SAI
ピギャアアア……き、急に起きるなよ!

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