第65話

叶える日まで...
669
2024/04/21 12:37 更新
[宮舘side]
ラウール
ラウール
やった!やったよ涼太くん!
宮舘涼太
宮舘涼太
どうしたの、ラウール?
ラウール
ラウール
受かった!!!!
宮舘涼太
宮舘涼太
ほんと!?良かったね!
俺は飛び付いてきたラウールの頭をよしよしと撫でる。
ラウールはずびずびと鼻をすすっている。
今までが相当悔しくて、今回のが嬉しかったんだろう。
ラウール
ラウール
これから忙しくなるけど、2人の時間は取ろうね!
宮舘涼太
宮舘涼太
うん!
ラウールの顔が近付いてきて、唇が重なる。
梨良
ぱぱ、それちゅー?
宮舘涼太
宮舘涼太
っ、!?
いつの間にか歩けるようになっていた梨良が俺たちを見上げていた。
ラウール
ラウール
これチューだよ~
梨良
おかしゃとぱぱ、ちゅーした!
きゃははと笑って、三紅ちゃん達のところへ走り去っていく。
宮舘涼太
宮舘涼太
びび、びっくりした…
ラウール
ラウール
俺は気付いてたけどね。
宮舘涼太
宮舘涼太
言ってよ!!
意地悪な子…!
最近梨良も性格がラウールまっしぐらで怖いよ…
ラウール
ラウール
今度研修で本社がある大阪まで行かなきゃいけないの…
宮舘涼太
宮舘涼太
大阪?
大阪に本社があるとは知らなかったな。
しかも研修…遠…
向井康二
向井康二
せやったら俺そん時仕事あるし一緒に行こか?
ラウール
ラウール
え!いいの!?やった!
[数日後]
宮舘涼太
宮舘涼太
いってらっしゃい!
ラウール
ラウール
わーん、離れるのやだよー!
がしっと俺にしがみつくラウール。
一輝
ラウくん、ダサいで?
ラウール
ラウール
そんなこと言うなよ、辛辣!!!
一輝くんは2歳なのによく口が回る…
関西人(産まれ関東)は成長が早いのかな…
ラウール
ラウール
いってきますのチュー…
宮舘涼太
宮舘涼太
しません!!!はいすぐ行く!
ラウール
ラウール
(´・ω・`)ショボ-ン
これからラウールは朝早くなって、夜遅くなって…
いってらっしゃい、いってきますが当たり前になるんだな。
俺見送るのって好きじゃないの。
なんだかもう会えなくなっちゃうような気がしてさ。
三紅
りょーた、大丈夫!
宮舘涼太
宮舘涼太
え?三紅ちゃん?
三紅
ラウールは、ずーっと一緒!
それだけ言って、三紅ちゃんはとてて…とリビングに帰っていってしまった。
ラウールは…ずっと一緒…
妙に説得力がある。
大丈夫、帰ってくるもんね。
宮舘涼太
宮舘涼太
いってらっしゃい!
ラウール
ラウール
いってきまーす!
深澤辰哉
深澤辰哉
阿部ちゃんもいってら!
阿部亮平
阿部亮平
いてきま~!
2人がドアを開けて元気に出勤。
深澤辰哉
深澤辰哉
ふぅ…
隣でふっかがため息を吐いた。
宮舘涼太
宮舘涼太
ふっか…どした?
深澤辰哉
深澤辰哉
いやなんか…お見送りって寂しくない?
なんだ、ふっかも同じこと考えてる…
深澤辰哉
深澤辰哉
気付けば慣れ始めてるんだけどさ。
宮舘涼太
宮舘涼太
分かる。寂しいよね。
お前もか、と目をぱちくりさせるふっか。
深澤辰哉
深澤辰哉
ずっと一緒にいるって…実は難しいことなのかもね。
宮舘涼太
宮舘涼太
……
哀しそうに天を仰ぐふっかに、俺は声をかける術もなかった。
深澤辰哉
深澤辰哉
っ、ぐすっ…
宮舘涼太
宮舘涼太
ぇぇ!?
急に泣き出しちゃったふっかの肩を抱く。
深澤辰哉
深澤辰哉
俺…阿部ちゃんと離れたくないよぉ…
宮舘涼太
宮舘涼太
ふっか…
でも甘ったれちゃいけないっていうのもある。
寂しくなるのは、独りじゃないからなんだと俺は思う。
でもふっかの涙が意味を持ってるなんて、その時は気付けなかった。
あの後ふっかが泣き止むまで時間がかかっちゃって、俺はふっかを持ってリビングへ。
そしたらふっかがおもむろに口を開いたんだ。
深澤辰哉
深澤辰哉
俺さ、ちっちゃい頃お母さん死んじゃったじゃん。
宮舘涼太
宮舘涼太
うん。
小学校高学年くらいの時の話だ。
家族ぐるみで仲が良かったから、俺もお葬式に参列した記憶がある。
深澤辰哉
深澤辰哉
お母さんとの最期の会話がいってらっしゃいだった。
宮舘涼太
宮舘涼太
そう…だったんだ…
ふっかのお母さんは専業主婦だったんだけど、その日は買い物に出ていって帰ってこなかったそう。
不審に思っていたら家に病院から電話がかかってきて、亡くなったことを知った。
お父さんも家にいることが少なくて、1人だったふっかは、パニックになって岩本家へダッシュ。
俺らもそこで知った、って感じ。
深澤辰哉
深澤辰哉
だから怖くて。このまま帰ってこなかったらどうしようって…
見送った後から帰ってこなかった記憶が蘇り、トラウマになってしまったらしい。
俺も同じ立場ならそう思う。
宮舘涼太
宮舘涼太
大丈夫だよ、きっと。帰ってくるから。
深澤辰哉
深澤辰哉
だよね。うん。俺の旦那は帰ってくる!
にかっと笑うふっかの目から涙は引いていた。
良かった。元気になったみたい。
見送りに慣れてしまったら別れが怖くなくなっちゃう気するからさ、1回1回大事にしてこうと思うよ。
ふっかも幼い頃の涙の海、超えて行けるといいね。

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