第6話

 :05 
188
2026/07/04 12:36 更新

















 外回りから帰ってきたばかりにも関わらず、
 萩原は 松田の隣のデスクに突っ伏して、
 深く寝入ってしまっている。




 松田 陣平 
 もう…なんでだよ、マジで 




 捜査一課の問題児である松田が、
 まともに見えてしまうこの光景。
 これが如何に異質なものであるかは、
 捜査一課の人間でないと分かるまい。


 佐藤 美和子 
 松田くん、あなたの下の名前ちゃんそろそろ 
 起こしてちょうだいよ
 松田 陣平 
 は?無理だろ、昔から 
 揺すっても引っ叩いても 
 マジで起きねえんだよコイツ 
 佐藤 美和子 
 爆発3秒前の爆弾でも 
 置いたらいいじゃない 
 松田 陣平 
 いくらあなたの下の名前とはいえ死ぬだろそれは… 




 雑談を聞きつけてか、萩原が
 ゆるりと瞼を開ける。

 寝起きの彼女は、眠そうに緩んだ瞼のまま、
 周囲をぐるりと見渡した。



 佐藤 美和子 
 あ、あなたの下の名前ちゃんやっと起きた。 
 もう少し待っても起きなかったら
 爆弾でも置こうかしらって松田くんと
 話してたところよ
 萩原 あなたの下の名前 
 …美和子ちゃん… 
 そっか、ここは捜一なんだ 
 萩原 あなたの下の名前 
 なるほどね 
 萩原 あなたの下の名前 
 そうか…爆処辞めたのか… 




 ふーん、とひとつ呟いたあと、
 彼女はパソコンをおもむろに開いた。

 職務怠慢の塊である萩原あなたの下の名前とは、
 とても思えない光景だった。



 佐藤 美和子 
 松田くん、明日の天気は何かしら 
 松田 陣平 
 大雪だな、確認しなくても分かる 





 ちなみに今は七月だが、
 このふたりの会話の内容が 萩原の勤務態度を
 よく示している。

 「あり得ない…」と呟くふたりの横で、
 コピー機が無機質な印刷音を立てた。



 松田 陣平 
 あ? 



 出てきたコピー用紙を、ひらりと手に取る。

 彼の黒曜石の瞳には、
 無機質で 冷たいゴシック体が映っていた。


























 _________「我は円卓の騎士なり。」

























プリ小説オーディオドラマ