『何その態度…私は心配した言ったんだけど。』
舞台にドラマ、今年は周年なのもあってあちらこちらで雑誌なり番組への出演が増える。
必然的に休みは減り、体型も絞る必要があったせいか
知らないうちにストレスが溜まって行った。
「あのさぁ、さっきから何なの俺疲れてんだけど」
『疲れてたら何してもいいの⁉︎違うでしょ』
あーうるさい。うるさい。
耳障りな声。
普段なら笑って許せる。怒ったような顔で笑うあいつの隣で俺も笑う。
でも、今日は違う。
「はぁ…。めんどくさ。
そんなに俺が嫌なら出てけば?」
その方が俺も助かるし。と小言を添えて
相手の顔に一瞥もくれず一方的にそう言い放った。
聞こえてきたのは『もういい‼︎』という震えて上擦った声
反抗期の子供の時のような監査役の鬱陶しい母親がいなくなった気分だった。
大好きな小さな名探偵の話でもつけて、ご褒美にでも食べようかと胸を躍らせた。
「遅くね?」
つい夢中になりすぎて明日に障るかもと時計を見る
夕方と言えなくもない時間から立派な夜の時間になっていた。
この時間になってくると流石に女性が独り歩きするには好ましいとは言えないだろう。
まだ拗ねてんのかと呆れを交えて鼻で笑う。
とはいえ、少しこちらが譲歩してやろうかと
『もう夜だけど?』とだけ連絡を入れた。
まぁどうせ友達の家か下手したらメンバーの家にでも転がり込むだろうなんて適当なこと思って。
そのメッセージに既読がつくことはなかった。
朝になってマネージャーの車から思い出したように
連絡先を開くと既読すらついちゃいなかった。
「大我さん、どうかしました?」
「ん…あぁなんでもない。」
心配してるなんて口に出したくはなかった。
意地っ張りなことはあってもここまで連絡を返さず無視決め込むことはなかった。
「続いてのニュースです。昨夜未明、新宿区人形町で
トラックが一台と乗用車3台が巻き込まれる玉突き事故がありました。この事故の影響で身元不明の20代から30代の女性1人が意識不明の重症で、警察はトラックを運転していた〇〇容疑者を過失運転障害の疑いで現行犯逮捕さました。」












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。