第4話

4.
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2024/01/25 09:20
jm side

jm
♪〜


…ジョングガ、覚えててくれてるかなぁ




ここの庭園、昔一緒に来たんだよな…




その時はまだ、




僕も次期国王なんてことは決まってなくて




ひたすら外で遊び回ってたなぁ…

jm
ジョングガ、早く会いたいなぁ、







そんなことを呟いたとき










秋の風が花たちを揺らした










その光景が何故か










懐かしく思えてしまった







jm
……………………!!






jm
ジョン…グガ、




目を向けた先には




昔みたいなまん丸な目の




ずっと会いたかった人がいた



jm
お、覚えてるかな、僕のこと…

昔、一度だけ遊んだんだよ、僕たち


会えたことが嬉しくて




座っていたベンチから立ち上がってしまった




"忘れられていたらどうしよう"なんて恐怖が




僕の声を小さくしていく








ジョングガは言葉が詰まったように




口を開けたり閉じたりして




しばらくすると




俯いて黙ってしまい、




遂には涙を流し始めた

jm
!? ジョングガ、どうしたの?

なんで泣いてるの、?

どこか痛いところがあるの??


僕が駆け寄ってそう聞くと




ジョングガは首を振った




そして、袖で涙を拭くと




僕が知っているジョングガじゃないような口調で




どこか寂しそうに




口を開いた

jk
いえ、大丈夫です、

目にゴミが入ったみたいです

ご心配おかけしました。
jk
おひとりでお楽しみだったようですね、

邪魔をしてしまい申し訳ございません、

わたくしは失礼させていただきます



その口調はまるで







僕との出会いを、







幼い頃の思い出を







無かったことにしているみたいで







すごく寂しかった

jm
待って、!

ジョングガ、僕のこと覚えてないの…?

ジミンだよ、昔、一度遊んだじゃん、!

この場所もきっと

覚えているはずだよ…?


背を向けてしまったジョングガを引き止め







その背中に必死に話しかけるけど







やっぱりジョングガはどこか他人みたいで。

jk
…………申し訳ございません、ジミン様

幼い頃にこちらにお邪魔させて頂いたと

父からお聞きしましたが、

わたくしは一切覚えておりません…

"ジミン様"なんて







みんなと同じように僕を呼ぶんだ







きっと彼と僕との間には







「立場」という大きな壁があって







少しだけこれから見る世界が違うと言うだけで







愛らしい笑顔を向けてくれなくなるんだ

jm
ッ、そっかぁ…そうだよね、

小さい頃だったし覚えてないのも当然か、!

ごめんごめん、!


明るく振る舞わないとなのに、




ジョングガの前では




かっこいい"ジミニヒョン"じゃないとなのに、




どうしても視界がにじんでしまう

jm
ッ…………

もし良かったらここのお花、見て行って、!

……………じゃあ、また後でね


どうしてもここから離れたくて




急いで自室へと足を進める




覚えていないという言葉が




ここまで突き刺さるなんて思わなかったな







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