その瞬間から僕達は計画を練り始めた
脱出に使えそうなもの
部屋から玄関までの道筋
研究室の地図
それらを集め始めた
マスターキーならこの研究室の最高権力者が持っているはずだ
つまり、最高権力者が持っているマスターキーを盗めばいい
……と、簡単に考えていたのだが
チッと軽く舌打ちをする
そして、危険だが確実な方法を思いつく
それは
その場にいた全員が目を見開き、止めようとする
そりゃそうだ
自ら敵に「貴方のボスの弱点を教えて下さい」と言っているようなものなのだから
危険以外の何物でもない
だが、一つ
自分でも相手の弱みを握っている確信があった
何があっても、保護している人間を傷つけない
それが、〝 貴重な非感染者に近しい者だったら尚更 〟というものだった
つまりは
これを逆手に取って、利用するのだ
そうして『鍵』の居場所を聞き出す
問題は、最高権力者が下のものに重要なものを語らない主義だった場合
そして、それを仮定してノッキさんが下のものだったら、というものだ
そう指示し、僕は彼がいるであろう薬の調合室へと足を運ばせた
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!