side 木葉
ぶりっ子みたいなマネ希望の子がきて
あなたたち三年のマネが仕事を教えるため
スポドリを作りに行っていた時だった 。
あの子の叫び声がした 。
あいつの身に何かあったんじゃないかって
必死に走った 。
嫌な 、 予感がした 。
現場に着くと 、
そこら中に散らばる恐らくあなたの鮮血
あなたは 、
赤色を見ると過呼吸を起こす場合がある 。
過去に何かあったらしい 。
声をかけて抱き上げたら
かろうじて微笑んでくれた 。
腕の中で今にも生き絶えそうな程頼りない 、
顔色は段々青白く 、
体温も段々冷たくなって行く 、
あなたの呼吸が 、
浅く 、早くなっていく 。
吸って 、吐いて 、吸って 、吐いて
何回か繰り返したら 、
段々と通常の呼吸も戻って来たが 、
安心できない 、
顔色はずっと悪いままだ 。
恐らく 、鮮やかな赤色を見たからだろう
音駒を初めて見た時もヤバかったし(((((
俺はとりあえず 、
あなたから赤色を隠すように 、
事件現場を後にした __________ 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!