休日もろくに休めないなんて、
最悪だっつーの。
近くにあった缶コーヒーを開け
一気に飲み干す。
何か他事でも考えとかなきゃ
思い出しちまう…
アイツの
悲しそうなあの顔を。
何でアイツ、
あんな顔したんだよ。
こっちが泣きたいっつーの。
優が好きなら…
最初の頃みたいに
冷たく俺をあしらっとけばいいのに。
あの日以来、
なぜか俺の側を離れようとしないみくは、
休日はいつも俺の家に勝手に押し掛けて
勝手にまるで自分の家のように
ぐーたらしてる。
コイツは本気なんだと。
本気で俺のことを好きでいてくれてるのだと。
目を見ればすぐにわかった。
ずっと、小さい頃から
かわらず、
ダメな所も全部全部ひっくるめて
俺のことを心のそこから想ってくれてる奴は、
コイツだけなんだと。
分かってる。
コイツの気持ちに
いつか答えてやらなきゃいけないのかもしれない。
けど、
こんな気持ちのまま付き合うことなんかできない。
きっと、
すぐに忘れられる。
こんな気持ちなんか。
すぐに…すぐに…。
きっと、アイツはもう
俺のことを嫌いになっただろうな。
いや、元々嫌いだって言ってたっけ?
ポツポツと滴り落ちてくる何かは、
俺のズボンにシミを作っていく。
……。
手が、
足が、
震えてくる。
あぁ、もう我慢の限界なんだ。
結構、辛いな…
もうアイツと話せなくなんのかな。
嫌だな。
でも、そんな壁を作ってしまったのは…
俺だ。
嫌いになれたら…
楽なのに。
自覚するたび、
苦しくなる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。