第3話

2 .
96
2023/06/25 02:15
Coe.
に … 逃げるって … どこに ?
くに
…わかんない 。
Coe.
それに逃げられないよ …
くに
……今なら お母さんは寝てるよ 。
Coe.
……え … ?
いつもは 夜遅くまで 起きているお母さん 。

だけど今日は 運がいいことに リビングで寝落ちしている 。
くに
逃げる場所なんて決まってない 。
そう 、逃げる場所なんて決まってないし 

頼りになる人なんて 俺達にはいない 。

でもさ __
くに
俺はこの地獄で 生きるよりかは
微かな希望をもって 逃げ出したい 。
Coe.
……兄ちゃん …
くに
もちろん 、 こえしの気持ちを尊重する 。
Coe.
… 僕は ……
こえし からしたら辛い判断だと思う 。


俺だって辛かった 。
まだ 小学生の低学年 。

それなのに 親元を離れるなんて不安で不安で仕方ないよね 。
くに
こえし 。 俺は 絶対 離れないから 。
俺は 絶対 こえしから離れない 。
こえしを置いて死なないから 。
だから _ 着いてきて … お願い …
Coe.
僕は … ッ 
Coe.
… 兄ちゃんに …… ッ


_ Coe. side _
Coe.
… 兄ちゃんに …… ッ
いいの ? 本当に 。


ここから逃げ出したいのは事実 。
だけど この家は お父さんとの思い出が _


「俺は 絶対 離れないから 。」


ねぇ … 兄ちゃん 。

兄ちゃん は どこにもいかない … ?


お父さんみたいに … どこか行かない ?
お母さんみたいに … 壊れない ?

あぁ … だめだ ……
決められない ……
逃げるなら 今日しかないのに … ッ 。
Coe.
………



あぁ … 決めた 。
Coe.
僕は 兄ちゃん についていくよ _
くに
! ほんと !?
なんで こんなに悩んでたんだろう 。
Coe.
その代わり 、 しぬ 時は … 一緒だよ ?
全部 正直に言えばよかったんだね 。


もし 、 逃げられなくて 殺されても
もし 、 餓死することになっても 。










お願いだから 僕を置いていかないで __

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