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第3話

3話 「先輩のおかげ」
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2026/03/07 04:10 更新
💛side






翌日。

正直、学校に行きたくない…。

けど、

🩷「俺が直接言う」

勇斗先輩のその言葉が、ずっと頭に残ってる。

勇斗先輩、本当に来るのかな。
…もし来たら、余計目立たないかな。

俺のせいで先輩が何か言われたらどうしよう…。



でも、
ちょっとだけ期待してる自分もいる。





今日も早めに学校に来た。

深呼吸。

下駄箱を開けたが、何も入っていなかった。


とりあえず、安心した。


でも、廊下に上がると…
俺の机、また少しズレてる。

大きくじゃない。

でも、わざと分かるくらいに。


あぁ、やっぱり…


席に座ろうとした、その時。


ガラッ。


教室の扉が勢いよく開いた。


🩷「おはよー」


2年生の勇斗先輩。

教室がざわつく。


なんで?
なんでここに?


俺のクラスの男子数人が固まる。


🩷「ちょっといい?」


笑ってるけど、目が笑ってない。

俺の机を見て、少しだけ眉が動く。


🩷「これ、誰がやってんの?」


空気、凍る。


💛「せ、先輩……」


やめて、とは言えない。

でも怖い。


男子の一人が舌打ちした。

「別に、遊びだし」

🩷「遊び?」


声が低い。

昨日とは違う。


🩷「枯葉入れるのも、机動かすのも、遊び?」


男子が目逸らす。


🩷「本人、笑ってた?」


……。


🩷「笑ってねぇなら、いじめだろ」


教室が静まり返る。


俺、こんなに守られていいのかな。

男子の一人が小さく言う。


「別に…嫌がってないし」


その瞬間。


🩷「嫌がってるだろ!」

先輩は声を荒らげて即答した。

そのあと、俺を見た。


🩷「怖くて言えないだけ」


胸がぎゅってなる。
なんで分かるの。


💛「……」


言葉が出ない。


🩷「次やったら、学年主任に言う。俺が」


学年主任出されたら、さすがにビビるよね。
男子たち、何も言えなくなってる。


🩷「分かった?」


小さく「…はい」


勝った。
いや、勝ち負けじゃないけど。


俺のために、ここまでしてくれたんだ。


🩷「じゃ、失礼しましたー」


いつもの明るい声に戻って、教室を出ていく。



残された俺。

みんなの視線が痛い…。


でも、机ちゃんと元に戻されてた。





昼休み。

勇斗先輩からメッセージが届いた。


🩷『大丈夫?』

💛『……ありがとうございます』

🩷『ちゃんと元に戻ってた?』

💛『はい』


少し間があいた。


💛『先輩、なんであんなに分かったんですか』


俺がそう送ったら、既読がすぐ付いた。


🩷『見てたから』

💛『え?』

🩷『仁人のこと、結構見てるから』

……。

なにそれ。


💛『なんでですか』

🩷『好きだから』

……は?
急でびっくりした。心臓止まりそう。


💛「えっ…」

続けて次のメッセージが来た。

🩷『あ、ギター教えるの好きって意味な?笑』

……。

なんだ…。そっか。

ちょっと期待してしまった自分に驚いている。


💛『びっくりしました』

🩷『なに想像した?』

💛『何も、』


何も想像してないなんて、嘘だ。










🩷side(放課後)



正直あいつらに言いに行くの、ちょっと怖かった。


でも、仁人が泣きそうな顔で「怖い」って言ったのが、頭から離れなくて。


守りたいって思った。



好きって、こういうことなのかな。





放課後、部室。


💛「先輩」


振り向くと、仁人が居た。

…なんか距離近い。


💛「今日、ありがとうございました」


真っ直ぐな目。

あー、無理かも。


🩷「別に」

💛「……なんでそこまでしてくれるんですか」


直球。
逃げたい。

でも逃げない。


🩷「仁人に嫌な思いしてほしくないから」

💛「それだけですか?」


え、?なにその聞き方。


🩷「それだけって何」

💛「俺、先輩にだけ頼ってるみたいで……」


あ、そうか。

不安なんだ。


🩷「頼っていいよ」


俺は即答した。


💛「……俺以外にも、こういうことしますか」


なにそれ…。
もしかして…


🩷「…頭撫でるやつ?」

💛「……はい」


ちょっと顔が赤い。


え、待って。…もしかして。

🩷「しないよ」

💛「え、?」

🩷「…仁人だけ」


本当は、無意識だった。
でも今は確信して言える。


💛「……」


仁人の顔が真っ赤だ。


💛「ずるいです…」

🩷「何が〜?」

💛「そういうの」


可愛いな…。
本当に。


🩷「じゃあやめる?」

💛「……やめないでください」


小さな声…
破壊力えぐい。

俺の心臓もたないよ!!


🩷「分かった」


そっと、また頭撫でる。
今度はゆっくり。

逃げない。


💛「……先輩」

🩷「ん?」

💛「俺、強くなります、!」

🩷「うん」

💛「先輩に守られてばっかりじゃなくて」


胸が熱くなる。


🩷「じゃあさ」


一歩近づく。


🩷「隣に…来いよ」

💛「……隣?」

🩷「守るとか守らないとかじゃなくて」


仁人と目を合わせる。


🩷「一緒にいればいい」


沈黙。


💛「……はい」


小さく笑った。

その笑顔を、俺だけのものにしたいって思った。


やばい…。
これ、完全に…

俺完全に、仁人の事を好きになっちゃってるじゃん。



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続きます♪





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