💛side
翌日。
正直、学校に行きたくない…。
けど、
🩷「俺が直接言う」
勇斗先輩のその言葉が、ずっと頭に残ってる。
勇斗先輩、本当に来るのかな。
…もし来たら、余計目立たないかな。
俺のせいで先輩が何か言われたらどうしよう…。
でも、
ちょっとだけ期待してる自分もいる。
︰
今日も早めに学校に来た。
深呼吸。
下駄箱を開けたが、何も入っていなかった。
とりあえず、安心した。
でも、廊下に上がると…
俺の机、また少しズレてる。
大きくじゃない。
でも、わざと分かるくらいに。
あぁ、やっぱり…
席に座ろうとした、その時。
ガラッ。
教室の扉が勢いよく開いた。
🩷「おはよー」
2年生の勇斗先輩。
教室がざわつく。
なんで?
なんでここに?
俺のクラスの男子数人が固まる。
🩷「ちょっといい?」
笑ってるけど、目が笑ってない。
俺の机を見て、少しだけ眉が動く。
🩷「これ、誰がやってんの?」
空気、凍る。
💛「せ、先輩……」
やめて、とは言えない。
でも怖い。
男子の一人が舌打ちした。
「別に、遊びだし」
🩷「遊び?」
声が低い。
昨日とは違う。
🩷「枯葉入れるのも、机動かすのも、遊び?」
男子が目逸らす。
🩷「本人、笑ってた?」
……。
🩷「笑ってねぇなら、いじめだろ」
教室が静まり返る。
俺、こんなに守られていいのかな。
男子の一人が小さく言う。
「別に…嫌がってないし」
その瞬間。
🩷「嫌がってるだろ!」
先輩は声を荒らげて即答した。
そのあと、俺を見た。
🩷「怖くて言えないだけ」
胸がぎゅってなる。
なんで分かるの。
💛「……」
言葉が出ない。
🩷「次やったら、学年主任に言う。俺が」
学年主任出されたら、さすがにビビるよね。
男子たち、何も言えなくなってる。
🩷「分かった?」
小さく「…はい」
勝った。
いや、勝ち負けじゃないけど。
俺のために、ここまでしてくれたんだ。
🩷「じゃ、失礼しましたー」
いつもの明るい声に戻って、教室を出ていく。
残された俺。
みんなの視線が痛い…。
でも、机ちゃんと元に戻されてた。
︰
昼休み。
勇斗先輩からメッセージが届いた。
🩷『大丈夫?』
💛『……ありがとうございます』
🩷『ちゃんと元に戻ってた?』
💛『はい』
少し間があいた。
💛『先輩、なんであんなに分かったんですか』
俺がそう送ったら、既読がすぐ付いた。
🩷『見てたから』
💛『え?』
🩷『仁人のこと、結構見てるから』
……。
なにそれ。
💛『なんでですか』
🩷『好きだから』
……は?
急でびっくりした。心臓止まりそう。
💛「えっ…」
続けて次のメッセージが来た。
🩷『あ、ギター教えるの好きって意味な?笑』
……。
なんだ…。そっか。
ちょっと期待してしまった自分に驚いている。
💛『びっくりしました』
🩷『なに想像した?』
💛『何も、』
何も想像してないなんて、嘘だ。
🩷side(放課後)
正直あいつらに言いに行くの、ちょっと怖かった。
でも、仁人が泣きそうな顔で「怖い」って言ったのが、頭から離れなくて。
守りたいって思った。
好きって、こういうことなのかな。
放課後、部室。
💛「先輩」
振り向くと、仁人が居た。
…なんか距離近い。
💛「今日、ありがとうございました」
真っ直ぐな目。
あー、無理かも。
🩷「別に」
💛「……なんでそこまでしてくれるんですか」
直球。
逃げたい。
でも逃げない。
🩷「仁人に嫌な思いしてほしくないから」
💛「それだけですか?」
え、?なにその聞き方。
🩷「それだけって何」
💛「俺、先輩にだけ頼ってるみたいで……」
あ、そうか。
不安なんだ。
🩷「頼っていいよ」
俺は即答した。
💛「……俺以外にも、こういうことしますか」
なにそれ…。
もしかして…
🩷「…頭撫でるやつ?」
💛「……はい」
ちょっと顔が赤い。
え、待って。…もしかして。
🩷「しないよ」
💛「え、?」
🩷「…仁人だけ」
本当は、無意識だった。
でも今は確信して言える。
💛「……」
仁人の顔が真っ赤だ。
💛「ずるいです…」
🩷「何が〜?」
💛「そういうの」
可愛いな…。
本当に。
🩷「じゃあやめる?」
💛「……やめないでください」
小さな声…
破壊力えぐい。
俺の心臓もたないよ!!
🩷「分かった」
そっと、また頭撫でる。
今度はゆっくり。
逃げない。
💛「……先輩」
🩷「ん?」
💛「俺、強くなります、!」
🩷「うん」
💛「先輩に守られてばっかりじゃなくて」
胸が熱くなる。
🩷「じゃあさ」
一歩近づく。
🩷「隣に…来いよ」
💛「……隣?」
🩷「守るとか守らないとかじゃなくて」
仁人と目を合わせる。
🩷「一緒にいればいい」
沈黙。
💛「……はい」
小さく笑った。
その笑顔を、俺だけのものにしたいって思った。
やばい…。
これ、完全に…
俺完全に、仁人の事を好きになっちゃってるじゃん。
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続きます♪












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!