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第1話

Prolog🕊 𓈒 𓂂𓏸
674
2022/07/17 16:20
『私に、彼らに、残された時間は少ない』
───この声は?
知らない何かの声
でも、不思議と安心感があることだけは覚えていた
(なまえ)
あなた
……っっ!!
柔らかな羽毛布団から勢いよく起き上がる
時計を見ると、短針は7時、長針は45を指していた
(なまえ)
あなた
……
(なまえ)
あなた
まぁいいか……
いや、良くない。実に良くない
(なまえ)
あなた
あーーっ……めんどくさい……ほんとにもうヤダ……
ブツブツと言っていても何も始まらないので、服を着替えようとクローゼットの方へ向かった
忌々しい、月曜日が来てしまった
ふと、今日見たような気のする夢を思い出す
(なまえ)
あなた
(……今日は、なんだか変な夢を見た気がする)
昔、母親が眠る前に聞かせてくれたお話
のような気がしたが、どこか違うような気がする……そんな曖昧な夢だった
(なまえ)
あなた
(おとぎ話のように人生が上手く行けば幸せだったのかな)
制服に腕を通し、ネクタイを締める
制服は男子用だ。余談だが私、いや、僕は男として周りに見られているはず。
鏡に映る自分の姿は男にしか見えない。
体型は女子高校生になったばかりとは思えないほど幼いので、周りには身長の低い男の子として見られている
鏡に映った自分を見ると、ため息が出るのだ。
(なまえ)
あなた
……男の子に生まれたかったな
すると、急に視界が歪んだ……ような気がした
(なまえ)
あなた
……???
what???
(なまえ)
あなた
え、何?どゆこと?
寝起きのせいだと自分に言い聞かせ、カバンを手に取る
(なまえ)
あなた
(食欲無いし……もうそのまま学校行っちゃおう……)
方向転換をしたその時、それは起こった
(なまえ)
あなた
あっ……
足を滑らせる
(なまえ)
あなた
(やべ、これ鏡に頭ぶつけて最悪割れるかも……)
しかし、その衝撃は、いつまでたっても来なかった
だがしかし、意識は段々と遠のいていく。
微かな意識の中、誰かに腕を掴まれたような気がした
その指には、確かに金に輝くつけ爪があった
(なまえ)
あなた
切る✂️

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