例の事件から3日がたった、やりすぎるととんでもない始末を受けることを知ったのか目立つ嫌がらせなどはなくなった
でも…
陰口が絶えないのだ
その他にも先日はこんなことが起きた
この時から何か仕掛けられていると察し、いつでも対応できるようにしておいた
ドアを開ける
意外と何もないか…とか思っていると
頭上から何かが落ちてきていることに気づく
持ち前の反射神経で軽やかに避ける
自分に向かって落ちてきたものをまたそう言い放った
落ちてきていたのは水風船
高めの所から落として私に当て、濡れさせるって算段か
特に私はこの出来事に対して何も思っていない
前の事で慣れていたし、味方してくれる人も大勢いる
そう思っていたのが間違いだった
ずっとメイドひっつかれて大分参っているのか会議早々、そんな事を言い出した
コレには他の幹部達もうんうん、と頷いている
相当ストレス溜まってるな
とか苦笑いを浮かべていると話題がこちらを向いた
あ、ミスった
私としてはどうでも良いことだったけど
この人たちにとってはそうでもないらしい
覚悟を決めつつ上記のことなどされたことを正直に話す
すると
しょうがないだろ前世のことがあってそこらへんの感覚が鈍っているのだから
そう言って駆けていく鬱さん
数分後、
嬉しそうな顔したメイドと含みのある笑顔を浮かべる鬱さんが帰ってきた
そう静かに告げる
そこから私にしたこと嫌がらせ、罠等についての尋問が始まった
間の抜けた声で返すメイド
さらに追い打ちをかけるべく声を上げる
なんでそれ出したんだ最後のは普通に疑問に思うだろ
どんどん追い打ちをかける幹部達
完全に呆れている
すると総統が声を上げる
さらっと何事もないかのように言い放ったことがダメだったのだろう
急に叫ぶメイドに呆気に取られているとメイドがこちらを睨んだ
そう言うメイドの手にはビン
意味がわからず混乱するしかない
その手にあった瓶の中身が劇薬だと気づくまで時間はそれほどかからなかった
瓶の破片と劇薬が顔と腕にかかる
目を咄嗟に閉じたが間に合わず中に入ってしまった
ゾムさんがメイドを取り押さえた
特に考えず放たれた言葉。でも、その言葉は私にトラウマを思い出させることに1番適した言葉だった
シャオさんの言葉に疑問を浮かべ、私は限界の精神状態を無理やり押し込み窓へ視線を向ける
そこには…
濁った赤い目の私がいた
その瞬間冷や汗が止まらず呼吸が荒くなり、頭痛が私を襲う
焦った声音
混乱する幹部達
どんどん音が遠ざかる
頭痛が酷くなっていく
最後に聞いたのは
誰かの焦ったような呆れたような声だった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。