br side
彼女の部屋の前に辿り着いて、
君が部屋のドアを開けた瞬間。
僕は君に魔法を使った。
br『 操人形 』
その瞬間、意志を失ってだら、と
その場に倒れ込む君の顔が、本当に可愛らしい。
──────────でも、全部君が悪いんだよ。
この前、らっだぁさんの国に行った時だって
らっだぁさんに髪触られた理由って嘘だよね。
それぐらい分かるよ。だってあなたの事だもん。
あなたの事なら何でも知ってたし。
らっだぁさんなんかよりずっと知ってる。
だから、僕だけのものって示せるように、
僕のものだって示すように
ネックレスだってあげた。
可愛らしい君の首元が僕で染まってるのが
本当に大好きだった。
だから、そんな僕だけのあなたが、
そんなあなたの強さが、
らっだぁさんにも、皆にも、知られちゃうのが嫌だった。
君が幹部の練習会に出るのは本当に嫌だった。
やっぱりそこで強さが知られちゃって
みんな今までやってきたこと、無かったことにして。
其れって狡くない?
そんな狡いヤツら、あなたに必要じゃなくない?
必要なの、僕だけじゃない?
だからさ。
br『 転移 』
これから、この国を
br『 燃やしちゃおうよ、あなた。 』
「 … 分かった。 … 炎 」
あなたは僕の言うことを直ぐに聞いて、
魔法を直ぐに放った。
スマイルなんかに向けた、優しい炎じゃない。
シャークんなんかに向けた、生温い炎じゃない。
それよりももっと、もっと。
今までのあなたの憎しみと、劣等感で彩られた、
どす黒い業火を─────────
「 燃やしたよ 」
br『 燃えちゃったね 』
君のためなら、母国だって、仲間だって殺せる。
それぐらい、僕は君を愛してる。
鮮やかに燃える焚き火の光に彩られる君は
本当に美しくて、真っ黒だ。
ほら、今きっと僕は光の無い真っ黒な瞳をしてるんでしょ?
お揃いだよね、いつだって愛してるから。
ああそうだ、もう1つ邪魔者がいたね。
運営国に行かなきゃ。
僕とあなたの幸せな世界の為に、
邪魔者は全部排除しなきゃね?
「 この世界は2人だけでいいから 」
# 惹肉狂食 𝒆𝒏𝒅













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。