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第4話

#1
37
2024/06/24 09:36
海斗「よいしょっ…と!」








俺、海斗は只今先生から頼まれたプリント類を運んでいます!!







海斗「…重いっ」







そう!重い!!









これ絶対一人で運ぶ量じゃないから!!!









先生に心の中で文句をつけながら廊下を歩いていく。








まだ朝早いので誰ともすれ違わず、誰も助けてくれないこの危機的状況を抜け出したく早歩きになっていく。









思い重いをしながら階段を下りている、と










海斗「あっ…」







階段を踏み外し自分が落ちるのがスローモーションになる。







思わず目を瞑った…が









海斗「痛く…ない…?」









なんなら少しいい匂いがするような…!?






俺はゆっくりと目を開けると















そこには青井くんサムライがいた。










…俺はサムライに抱き締められている状態だった。





海斗「!?!?!?さ、サムライすまん…っ」











顔近っ…!?









翔太「あぁ…ちょっと黙りぃ」









喋った!?イケボ!?







俺は必死に頷く。







翔太「ん、いい子や」











サムライは俺のことを抱きしめる力を強くする。






?「あれ?青井は?」


?「しらね、逃げたんだろ」


?「うーわおもんな。せっかくあいつ毎日早くくるから待っててやったのにー」







…?







向こうから聞こえてくる内容の理解ができない。






サムライは誰かに探されてるのか…?











海斗「…!」








サムライの背中が多少震えてるいることに気がついた。



















こいつ…もしかして。











海斗「サムライ、上に上がって隠れていてくれないか?」










サムライは少しびっくりとした顔をしたが黙って頷いてくれた。










俺はサムライが上に上がり隠れたのを確認するとサムライを探していた子たちに近づく。












モブ「あ!赤田!青井みてない?」



海斗「青井くん?俺あの階段から来たけど見なかったなぁ…」



モブ「そっか。お前が言ってるんだからそうなんだろうな…。ありがとう!お疲れクラス委員!」



海斗「おー!」











俺はそいつらと別れると階段を登りサムライを発見する。










海斗「もう大丈夫だ。」



翔太「……」








サムライは驚いた顔をする。









そしてニコッと笑った。











翔太「ありがとう。」









海斗「うん…ってあれ、サムライいつものマスクは?」




いつもよりも表情がわかるなと思ったらマスクがなかったのか。




通りでイケメンオーラがすごいわけだ。




翔太「あいつらにマスクとられたんよ」








海斗「あぁ…」









なんて言えばいいんだろう。








お前いじめられてるのか?

いや…この言い方はデリカシーがなさすぎるな。ド直球すぎる。





あいつらとはどういう関係なの?

いや、これは踏み込みすぎか…?






なんでマスク取られたの?

よし、これで行こう(この間0,2秒)


海斗「なぁサムライ…(同時)」


翔太「ごめん!(同時)」











…んえ?








海斗「な、何が!?」


翔太「プリント運んでたんやろ?邪魔してごめん!」









え、あ、えぇ…?








海斗「全然大丈夫だy…」



翔太「とにかくごめん!あぁ…!僕もうダメや…!!(それに推しの体触ってもうた…)」











なんかめちゃくちゃ焦ってるんですけど!?






普段とは違いすぎるサムライの態度に思わず困惑する。











海斗「大丈夫だから。な?」








数分後、やっとサムライは落ち着いたようでふぅ、と息を吐いた。




翔太「そういや、かいくんさっきなんか言いかけてたやん?あれなんだったん?」


海斗「?…あぁ。大したことじゃないよ。なんでマスク取られたのかな…って」


翔太「なんで?俺がいじめられてるからに決まっとるやろ」









ん?







なんでそんなにあっさりしてんの?












翔太「そりゃーこんな隠キャいたらいじめられるのも当然やろ」


海斗「…当然じゃねぇよ」










じゃあなんでさっきあんなに震えてたんだ?

なんでいま震えてる右手を左手で抑えてるんだ?







怖いんだろ?本当は。











サムライはびっくりしたような顔をする。
















海斗「当然なんかじゃない。いじめられていい人なんていないんだよ。」

















俺はサムライを抱きしめる。
















海斗「辛かったら俺に言えよ?」


























“俺たち、友達だろ?”

















サムライの顔が赤くなった、そんな気がした。

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