…朝起きたら
晴人さんが抱きしめてくれたことを思い出して
まともに顔を見れなくなっちゃった……。
わたし…ひょっとして
…晴人さんが好きになの…?
…あんなふうに抱きしめられて
優しい言葉かけられちゃったら…
その日、仕事終わりに事務所に寄った時だった。
あぁ、オフが潰れる…
けどこの仕事が好きだから断るつもりはない。
先輩がぐっと顔を近づけてきて、声を潜めた。
血の気がサーっと引く感覚がした。
晴人さんは、メジャーデビューして
すごく大事な時。
すると先輩の顔が離れて豪快に笑った。
わ、わたしは今……
先輩に合わせてうまく笑えているだろうか。
先輩の背中を見送って
思わず大きなため息が出てしまった。
とにかく…晴人さんには内緒のほうがいいかな…
いや、それとも言っておいたほうがいいのかな……
あぁ、でも
言っちゃった方がお互い意識しすぎちゃう気がするし……
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。