コツ…コツ…コツ…
ビルの廊下で響くヒールの音。
と同時にする、革靴の音。
2つの音は、二つの音と気付くのには、些か時間が掛かる様な、それ程、ほぼ同時に響いていた。
バッ
若い男女から中年、初老の男まで、数十人程全員が同じ服装で並んでいる。
先程のバッ…という音は、この黒服、と呼ばれる者達の、姿勢を整えた音のようだ。
最初の男の声を筆頭に、声を揃えて次々と云う。
『これ以上機嫌を悪くさせないで。』
という理不尽な回答をしたのは、ここ、ポートマフィアが五大幹部、太宰あなたである。
そう、あなたの次に云ったのは、その片割れ、双子の兄、太宰治だった。
パァンッ
そう、乾いた音が鳴る。
そう告げて、応えるものはもう居ない。
その辺には、赤い花が散っていた。
そう呑気な声を出して、注意なのかなんなのか…という声をあげているのは、他でもない。
ポートマフィアが首領、森鴎外だ。
その言葉からわかる通り、先程のようなことはよくあるようだ。
バタン。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。