炭治郎side
思わず引き戸から手を離してしまった。
引き戸が震える程、大きい声だった。
一体、誰だ……………?
俺はもう一度引き戸に手をかけ、恐る恐る扉を開ける。
車両の前方の席に座っていた男性が叫んでいた。
『うまい!』と連呼しながら、弁当を食べている。
男性の前には山ほどの弁当が積まれていた。
所々赤く染まった金髪に、炎を思わせる羽織り。
俺はすぐに分かった。
炎柱の煉獄杏寿郎さんだ。
俺と善逸は再び、煉獄さんを見る。
あの人は、確かに煉獄さんだ。
そして煉獄さんの隣には髪には朱い手絡をして、雪の結晶の模様をした羽織りを着た女性が座っていた。
その女性には、善逸がいち早く気づいたようで。
雪柱の水無瀬あなたさんだった。
善逸は先程とは一変、デレデレと顔をほころばせながら、あなたさんのもとに向かった。
それに続き、俺と伊之助も煉獄さん達のもとに足を運ぶ。
俺は伊之助の言動に慌てて注意する。
あなたさんは、優しく俺に微笑んでくれた。
そんなあなたさんからは温かく優しい匂いがした。
煉獄さんは俺達を気にもせず、弁当を
食べ続けている。
煉獄さんはやっと振り向いてくれた。
かと思えば、
真っ直ぐ俺の目を見つめてそう叫んだ。
俺はあなたさんと目が合うと思わず苦笑いを
してしまった。
あなたさんは、そんな俺を見てくすっと笑った。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。