和と、あなたが、帰ってくる。
今日までに舘さんに手伝ってもらって粗方の準備は出来た。
ドキドキしながら病室に行くと、あなたのお母さんが、せっせと荷物を片付けていた。
あなたの母
「あら、ラウくん、お迎えありがとうね。仕事大丈夫?」
あなたの母
「心配で最強の助っ人用意したのに。ねぇ、涼太くん?」
妹さんが双子なだけあって育児には慣れてるし、あなたとも、長い付き合いとはいえ·····。
慣れるまで手伝ってもらうことにして、とりあえず一緒に帰ることに。
車に乗ると、チャイルドシートに乗せた瞬間から、和が、泣き出す。あなたが、あやすしてなんとか、出発。
焦らないようにゆっくりね。って舘さんが声をかけてくれるけど、なかなか焦る。
車で家まで20分ちょっと、大丈夫か、心配。
あんまりにも泣いちゃって、途中でコンビニによって授乳したらお腹すいていたという·····。そりゃ泣き止んでくれないわ。
舘さんが車の窓口叩いて、終わったか確認してる。
あなたも、反応して、窓開けてくれる。
ドアを開けて荷物を探して目的のもの渡す。
兄妹みたいに見えるふたりが、本当にうらやましい。
ドアをしめて、助手席に乗り込むと、僕も運転席に乗り込む。
お茶を渡してあげると、チャイルドシートに和載せて、
ゴクゴク飲み始める。あなた
声掛けてエンジンをかけると、すぐ、和と、あなたが、眠り出した。穏やかな顔で·····。
新しい生活が始まる。最強の助っ人と、共に。
でも、まだお兄ちゃんズとは、離れられないみたい。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!