臨時会に呼ばれて、移動している途中、剛さんは俺たちの任務について詳しく聞きたかったのか、颯一郎と仲良く喋っていた。
神格者と言えど、魔法局とは神聖な場所。
礼節は弁えるべきだというのが職員の本音なのだろうが、行き交う職員は、神格者のただならぬ気迫に怯えてか、誰も顔にすら出さなかった。
五摂家と言えど、fatalを仕切っているのは闇を扱う一族であって、残りの五摂家はそれに従っているだけ。
そんな仲でこれほどの力は、、、。
炎を背負う彼はニコッと笑ってそそくさと後ろから入っていった。
駄々を捏ねる颯一郎のローブを引っ張って、部屋に入った。
ガチャッ
部屋に入って飛んできた第一声は
『おっそいのぉ、、、』
だった。
擁護の声に顔を顰めたが、特にそれ以上する様子も無かったので、はじに座っている議長に一礼し、席についた。
細長い半円状の机には、12席あるが、そのうちの2席がまだ埋まっていなかった。
一応の会議という体裁を守り、議長に丁寧な口調で話しかけた俺は、柳田悠岐に向かって言い放った。
先ほど喧嘩腰では無かったからか、颯一郎は驚いて此方を向いたが、お構いなしに言った。
杖を抜いた柳田に、由伸は素早く反応し魔法を放った。
ドシャッ
音を立てて砂が崩れていく。
魔法を止めたのは柳田でもなく、今宮でもなく、颯一郎でも無かった。
杖をしまい、立ち尽くし此方をみている柳田を横目に、魔法を放ってきた外崎さんを見た。
外崎さんが放ったバリアの魔法で砂は崩れ去り、これ以上何もすることは無くなった。
会議の場とは言え、アレだけ吹っかけてきた柳田も大人しくなった。
大人しく席に戻り、机に置いてあった会議資料を見た。
ガタッと立ち上がっていた颯一郎も元に戻り、由伸にコソッと話しかけた。
一言、普通の声で発した。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。